「韓国の通関統計はインチキ」という指摘

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小ネタかもしれませんが、韓国の通関ベースの貿易統計についてです。

Money1では毎月、韓国の関税庁が公表している輸出入動向についてご紹介しています。月の20日までは赤字だったのに、産業通商資源部から「先月分が締まりました」として出てくるデータでは黒字転換していた――という不思議な現象にしばしば遭遇します。

例えば、直近の2021年10月です。10月01~20日の時点で関税庁が公表したデータは以下です。

10月01~20日
輸出:341億8,000万ドル
輸入:366億6,800万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):-24億8,800万ドル

上掲のとおり、貿易収支は「-24億8,800万ドル」で赤字です。

ところが、これが「10月分が締まりました」として産業通商資源部が発表したデータでは以下のように黒字になります。

2021年10月
輸出:555億5,400万ドル
輸入:538億6,400万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):16億9,000万ドル

残りの11日、すなわち10月21~31日で黒字転換したのです。最後の11日間で貿易収支が「41億7,800ドル」ないとこうならないのです。

このような不思議な現象は10月だけではありません。しばしば登場するのです。

ジャーナリストの鈴置高史(すずおき たかぶみ)先生がずばり突いた発言をされていますので以下に引用します。『BSフジ』の番組に出演された際の発言です。

「(前略)もう一つは貿易統計です。

これが外貨準備を積んでいくわけですから。04月の通関統計では赤字でした。

05月の通関統計ではほんのわずか、4億ドルくらいの黒字ですけど、韓国の通関統計ってのは……特に速報っていうのはインチキなんです。

本当に通関検査終わったのが輸出に建つわけじゃなくて、輸出業者がたぶん月末までにどこそこへ輸出できると思うよ、っていう報告に過ぎないんです。

ですから時々、時々っていうか年中といっていいかな、政府に忖度(そんたく)して多めに言うわけです。

ですので韓国の通関統計っていうのは癖が二つあって、一つはですね、だいたい輸出の速報値が確定値よりも高いってことになる。確定したときは低くなっちゃう。

もう一つは月末になると……20日ぐらいまでは貿易赤字でも、突然月末になると貿易黒字になっちゃう。

それは報告ですから。輸出できると思うっていうだけの話ですから。見込みで盛っちゃう。

そこのところはみんな分かってますから。「ホンマかいな」と。
(後略)

赤線を引いた部分は、まさにMoney1でもご紹介している現象です。

鈴置先生のおっしゃっていることが正しいのであれば、関税庁が公表している輸出入金額は「通関ベース」でもなんでもなく、「業者の希望する輸出金額」ということになります。

「通関ベース」ってなんでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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