韓国『双竜自動車』買収問題さらに暗雲。「インサイダー取引」疑惑が出る

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韓国の『双竜自動車』の買収問題。ここまで来たら最後まで付き合わないと仕方がないわけですが、さらに暗雲が垂れ込めてきました。

「1,050億」の資金が抜けた!

先にご紹介したとおり、『双竜自動車』の優先買収先に指名された『エジソン・モータース』を中心とするコンソーシアムから『キーストーン・プライベート・エクイティ』が投資を撤回すると宣言。財務投資家が抜けるという非常に大きな問題が発生しました。

韓国メディアの報道によれば、『キーストーン・プライベート・エクイティ』は、買収資金として550億ウォン、運営資金として500億ウォンを用意する――だったのですが、これを撤回したのです。

『キーストーン・プライベート・エクイティ』の分は、『KCGI』が出し、投資資金を追加投入することに決定した――となっていますが、これも報道での話であって、本当かどうかは不明。ですので、『双竜自動車』を『エジソン・モータース』が本当に買収できるかどうか、不透明感が増しています。

本契約締結期限は01月10日に迫った!

そもそも、『双竜自動車』の買収本契約の締結と買収代金の10%310億ウォン」の納付は、2021年末日までに行わないといけなかったのです。

ところが、『双竜自動車』のデューデリジェンス、事業計画の策定に時間の猶予がほしいという『エジソン・モータース』側の請求により、これが延期。いまだに行われておりません。

また、韓国メディアの報道によれば、『双竜自動車』と『エジソン・モータース』の協議が昨年末から数回にわたって行われているものの、合意に達していないとのこと。両者の溝は埋まっていないと推測されています。

そんな中、本契約の締結期限は2022年01月10日に迫っているのです。

子会社の『エジソンEV』にインサイダー疑惑

『エジソン・モータース』の子会社で『エジソンEV』という会社があるのですが、この会社の株式を巡ってインサイダー取引の疑惑が出ています。

まず、以下の『エジソンEV』の株価チャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用)。

『エジソン・モータース』の最大株主は『エネルギー・ソリューションズ』ですが(つまり『エジシソンEV』にとってもオーナーになる)、同社は06月『エジソンEV』の株式を5人から212万9,957株取得しています。

このうち、125万129株は『エスエルエイチ』『マリーゴールド投資組合』『スターライト』『アイムホールディングス』の手に渡っています。

ところが、その後、『エジソン・モータース』が『双竜自動車』の優先買収先に指名されて、『エジソンEV』の株価が急騰、この機会に乗じて投資組合が株価を売却し、利益を得たという話が出ています。


↑2021年06月30日付けの「最大株主変更を伴う株式譲渡も契約締結」公示文書から引用。最大株主が『エネルギー・ソリューションズ』になり、『エスエルエイチ』(53万2,489株)『マリーゴールド投資組合』(16万9,400株)『スターライト』(29万8,526株)『アイムホールディングス』(24万9,714株)に計125万129株が譲渡されることを報告している。

⇒データ引用元:『韓国金融監督院DART』公式サイト

韓国メディアの報道によれば、金融監督院の関係者は「投資組合が『エジソン・モータース』代表の知人であれば、未公開情報を活用したインサイダー取引と見ることができる余地があるが、これはまだ確認されていない事案。現在、韓国取引所で『エジソンEV』の株価と関連して調査している」と述べている、とのこと。

というわけで、『エジソン・モータース』による『双竜自動車』の買収問題は暗雲ばかりになって参りました。また動きがあればご紹介するようにいたします。

また仕切り直しになるかもしれません。そうなれば、まさに元の木阿弥です。

(吉田ハンチング@dcp)

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