もしかすると韓国がやってしまったかもしれません。
国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会が、韓国籍だったタンカー2隻が北朝鮮に売却された可能性があると報告しました。
国連加盟国は、北朝鮮に船舶を販売しないよう定められているため(北朝鮮制裁決議第2321号)、もし本当ならとんでもないことです。
↑『国際連合』安全保障理事会の2022年03月01日最終報告。P.266に「SUSPECTED VESSEL ACQUISITION BY THE DPRK – OCEAN SKY (IMO: 9125308)」(北朝鮮による船舶取得の疑い)がリポートされています。⇒参照:引用元:『国連公式文書システム』公式サイト「UN Documents for DPRK (North Korea) Security Council Report」
2022年03月01日に公開された専門家パネルの最終報告によると、北朝鮮がシエラレオネ船籍の「オーシャン・スカイ」号を入手した可能性があるとしています。
このオーシャン・スカイ号はもともと韓国の船で、「デホ・サンライズ」という名前で運用されていました。
2021年に香港の『アジアン・オーシャン・シッピング』という企業に売却。このときに同企業の所有となり、名前も「オーシャン・スカイ」号に変更されました。
「オーシャン・スカイ」号は、昨年5月11日に同社の船にけん引されて釜山港を離れましたが、5月24日から30日の間に、北朝鮮に「海上」で引き渡されたと指摘されています。
いわば「船舶の瀬取り」です。
このとき、シエラレオネ海事局が発行した許可証が使われましたが、AIS(船舶自動識別装置)からの信号は発信されていなかったとのこと。
つまり、船の動向を追跡できないようにしていたのです。
国連安全保障理事会は断続的なAIS信号と衛星写真から売却された可能性を突き止め、調査を行っているとのこと。
現在のところ、許可証を発行したシエラレオネに説明を求めていますがいまだ返答はなし。「デホ・サンライズ」時代の所有会社は2021年05月04日にブローカーに引き渡したと書簡で説明しています。
北朝鮮制裁委員会は、ほかにも韓国籍タンカー「ウジョン」も北朝鮮に譲渡されたと報告。
「ウジョン」は譲渡後に「シンピョン5」という名前に変わり、2021年08月にはパラオ船籍のタンカーから油類の瀬取りを行ったことで問題となりました。
先述のように、国連加盟国が、北朝鮮に船舶を譲渡・売却すること国連安全保障理事会で禁止されています。
今回の騒動に登場した韓国、中国、シエラレオネのいずれも国連加盟国ですから、当然のことながら国連決議に反していることになります。
もし北朝鮮への不正売却と判断された場合、韓国政府がどのような対応を取るのか注目です。
(中田ボンベ@dcp)