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中国『BOE』vs 韓国『サムスン』特許で殴り合い

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中国の『BOE』といえば世界一のディスプレー企業にのしあがったことで知られ、あの王東升さんが率いている企業です。韓国企業はシェアをひっくり返され、Money1でもご紹介したとおり『LGディスプレー』などは大変に困った事態になっています。

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中国を代表するIT関連企業となった『BOE』ですが、韓国の『サムスン』グループと特許を巡って戦いを繰り広げています。

2022年12月には、『サムスンディスプレー』は『合衆国国際貿易委員会』(United States International Trade Commission:ICT)に、自社特許を侵害した中国産OLEDパネルを輸入できないようにする内容の調査を申請しました。

ターゲットはもちろん『BOE』です。

これに対して『BOE』は、2023年05月、中国・重慶第1中級人民裁判所に特許訴訟を起こしました。

反撃です。

この訴訟では『サムスンディスプレー』だけではなく、『サムスン電子』も対象とし、「『サムスンディスプレー』がBOEのOLEDパネルの構造関連特許を侵害し、『サムスン電子』が当該パネルを搭載した製品を販売し利益を上げた」としました。

これを受けて、翌06月、『サムスンディスプレー』は合衆国テキサス州の東部地裁に『BOE』を対象とする特許侵害訴訟を起こしました。iPhone12以降のモデルにおいて「『サムスンディスプレー』が持つOLED特許4件を侵害した」と主張しています。

――というわけで、中国『BOE』 vs 韓国『サムスン』の特許紛争は泥沼の様相を呈しています。どちらも一歩も引かないでしょう。しかし、『BOE』は中国を代表する企業となっているので、中国の裁判所が韓国の味方をするとはとうてい考えられません。中国の司法など政治的な判断しかしませんから、中国の裁判で『サムスン』グループが敗訴するのは目に見えています。

『サムスン』グループとしては、合衆国の裁判で勝ちたいところです。

『サムスンディスプレー』は27日に行われた2023年第2四半期の実績カンファレンスコールで「弊社の知的資産に対する盗用および侵害行為が看過できない水準だと判断し、法的制裁など多様な策を講じる」と述べたとのこと。

『BOE』が腹に据えかねている様子が伺えます。

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(吉田ハンチング@dcp)

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