【2.2倍に増えた】韓国の家計負債がさらに増加するか。銀行が「貸し出し」拡大の動き

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不穏な動きが伝わってきます。

韓国の金融当局、すなわち「金融委員会」は、家計負債の爆弾が破裂しないように、銀行に貸し出しを絞るように指導を行ってきました。

今回は、その規制と行方についてご紹介します。

韓国金融委員会による貸し出しの規制

韓国金融当局は、市中銀行・インターネット銀行に対して、対前年比で貸し出し金額の増加幅を「5-6%」に抑えるように指示しました(総量としての規制は「6.99%の増加」)。

これはいわば銀行が貸し出し希望者に対して門戸を占める行為です。

さらに、貸し出し金額に対して「負債元利金償還率(DSR)」の制限をかけました。

「DSR」は、Debt Service Ratioの略で、韓国の規制の場合、負債(元本利子払いの金額)を可処分所得で割って求めます。

つまり、可処分所得が5,000万ウォンで、元利払いが1,000万ウォンだった場合、「1,000万ウォン ÷ 5,000万ウォン」でDSRは「0.2」。つまり「20%」になるわけです。

韓国金融当局は「DSRが40%を超える家計は追加貸し出しを受けられない」という規制を敷きました(ただし第2金融圏は「50%」)。

DSRによる規制は以下のように、2022年01月、07月と二段階で発動されます。

2021年01月01日からは、
総貸し出し額が「2億ウォンを超える」場合に適用
(約1,940万円超)

2021年07月01日からは
総貸し出し額が「1億ウォンを超える」場合に適用
(約970万円超)

家計はお金を借りにくくなったのですが、このせいで国民はお金を貸してくれる、より金利の高い非銀行の金融機関へ走るようになりました。

しかし、です。

韓国ではお金の貸し出しを行う機関を第一、第二、第三と分けています(第四が入る場合もアリ)。第一金融圏は一般銀行特殊銀行。日本でいう都銀・地銀や特殊銀行である『農協銀行』などはここに区分されます。第二金融圏は、保険会社、証券会社、総合金融会社、相互貯蓄銀行、与信専門金融会社などです。

貸し出し再開でどうなるか?

上記の「5-6%に抑えろ」(総量6.99%の増加まで)という規制は1年ごとのものなので、2022年01月からはまた新たな規制の設定で走り出すことになります。

つまり、貸し出し限度がリセットされるわけです。

で、第一金融圏、第2金融圏とも貸し出し再開、門戸開放に向けてアップを始めました。ライバルとの競争に勝つため、銀行は優遇金利を用意するなど貸し出し金額の拡大を目指して準備しています。もちろん上記の「DSR規制」は発動されるのですが、2021年中にお金を借りられなかった人が殺到する可能性があります。

先にご紹介したとおり、韓国の家計負債の増加は止まってなどいません。

2021年第3四半期には1,844兆9,000億ウォン(約179兆円)に到達。

2010年末時点で843.2兆ウォン(約81.8兆円)でしたから、2.19倍に増加したのです。

ここで門が開いたら、2022年の第1四半期に家計負債が急増する可能性があります。

また、アメリカ合衆国『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)は03月までにテーパリングを完了し、金利引き上げを始める可能性が高まっています。『韓国銀行』も先制的に基準金利を上げるでしょう。

金利引き上げと貸し出しの増加が見えてきました。韓国経済の脆弱性はさらに高まるのではないかと推測できます。年が明けて韓国の家計負債の増加がどうなるのかにご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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