韓国で現在大問題となっている「検察から捜査権を完全に剥奪する法案」。
現政府与党の『共に民主党』が強行採決をしようとしていますが、検察、裁判所と司法が猛反発。その上、保守系市民団体のみならず、左派からも「やりすぎだろう」と指摘されています。
尹錫悦(ユン・ソギョル)新大統領が誕生してからでは拒否権を発動されるからとして、05月09日までが任期の文在寅大統領のうちに国会本会議で可決させようとしています。
『共に民主党』は172人の議員全員の名義で発議しました。これは個人の責任を誰も取らないで済むようにという実に姑息なやり口です。
しかも、「この法律は国民のためである」という大義名分を掲げています。
しかし、Money1でもご紹介しているとおり、同法は明らかに「自分たちが政権を取った5年間で何をしたのかを捜査せない」ためのものです。
『共に民主党』の大義名分がウソであることを証明する証言が出ました。本件を報じた『朝鮮日報』の記事から以下に引用します。
この記事は「検察から捜査権を完全に剥奪する法案への反対声明」を出した梁香子(ヤン・ヒャンジャ)さんへのインタビューです。
梁さんは無所属の国会議員(もとは『共に民主党』)ですが、『共に民主党』側から同法案に賛成するように要請があったというのです。その賛成してほしい理由というのが……。
(前略)
――梁議員名義で「検察捜査権完全剥奪」法案に従わないという内容の反対声明が広がり騒動になった。「自分が書いたものだ。自分には相談をする助言者グループがいる。
悩んで書いた文章をその方々との対話の場に上げ、足りない部分や補完すべき点がないか尋ねた。正確な流出経緯は分からない。
しかし、気分を損ねたとか後悔しているということはない。反対の考えに変わりはない」
――民主党は法制司法委員会で国民の力を無力化するため、自党出身の梁議員を呼び込んだ。なぜ反対声明を書いたのか。
「どれほど悩んだか分からない。
法制司法委員会に来てから、何度も会議を行ったがとんでもなかった。
それなりに懸命に勉強してたくさん質問もしたが、(民主党内強硬派の)『チョロム会』といった方々は聞く耳を持たなかった。
強硬派の某議員は特に(検察捜査権を完全剥奪しなければ)死ぬと言った。
別の方からは『検察捜査権完全剥奪を処理しなければ、文在寅政権の青瓦台の人物20-30人が監獄に行くことになりかねない』という話も聞いた。
声明が流出すると、私が国民の力から(見返りに)科学技術情報通信部長官のポストを約束されたという話まで飛び出した。
あまりにとんでもない。
政治をしなくとも、国益のため、良心を信じて進まなければならないと思う」
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報(日本語版)』「梁香子議員インタビュー:「検察捜査権完全剥奪しなければ文政権の20人が監獄行きになると賛成求められた」(上)」
梁議員の証言が本当であれば、「検察から捜査権を完全に剥奪する法案」を推進している理由は「国民のため」などというきれいな動機ではありません。
「文在寅政権の青瓦台の人物20-30人が監獄に行くことになりかねない」のを阻止するためです。極めて正直に述べています。
韓国の現政府与党は、実に姑息で卑劣な動機で法律を作ろうとしているのです。
(吉田ハンチング@dcp)