韓国はなぜか先進国と呼ばれることを非常に気にする国です。
文前大統領は自身の功績について「発展途上国から先進国になった唯一の国」と語っていました。
しかし、韓国市場はMSCI指数(MSCI All Country World Index)では先進国市場に分類されてはおりません。
自身を先進国とする韓国に対して、ネット上で「MSCI指数で先進国に分類されてから言え」といった突っ込みがあるのはそのためです。
⇒参照・引用元:『MSCI』公式サイト
ちなみに、以下の3つは韓国を先進国に分類しています。
Dow Jones(ダウ・ジョーンズ):1999年~
S&P:2008年~
FTSE:2009年~
残っているのは『MSCI』だけなのです。
文政権は先進国になろうとした
文政権の時代(特に末期)には、このMSCI指数でも先進国市場に分類されるようにと、洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が積極的に動いていました。
洪長官が『MSCI』と直に交渉を行ったのは以下の記事でご紹介したとおりです。
文政権ではとにかく「先進国」と呼ばれたいがために努力していた節がありますが、先進国に分類されることのデメリットもあるのです。
例えば、リスクオン時の資金流出です。世界の投資家がリスクオンに傾いた時には、往々にして先進国市場から資金が抜けて新興国市場に向かいます。韓国はこれまで新興国市場に分類されていたため、資金流入の恩恵を受けてきました。
リスクオン時に資金が抜ける側に回って韓国は大丈夫なのか?という疑問があります。
デメリットは置くとしても、この「MSCI指数でも韓国を先進国に」の動きを現在の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が引き継ぐなら……第一関門がこの06月にやってきます。
勝負の「06月」が来た!
『MSCI』は毎年06月に会議を開催して、市場の区分などを話し合います。
韓国市場がもし区分を変更されたいなら、まずは「観察対象国」に指定されなければならないのです。
観察対象国になった後で、本当に先進国市場と認定するにふさわしいと判断されれば、晴れて区分変更となります。
ちなみに、韓国は李明博(イ・ミョンバク)大統領の時代、2008年06月に観察対象国になったのですが(3回なっています)、2014年06月に観察対象国から転落したのを最後に、以降は観察対象国にもなれていません。
結局『MSCI』の規準を満たすことができなかったからです。
――で今回。これまでと同様に「観察対象国になること」(『MSCI』のウォッチリストに加えてもらうこと)が第一関門です。これに失敗すると先進国市場に分類されることもありません。
果たして『MSCI』は韓国をウォッチリストに加えるでしょうか?
『MSCI』の発表にご期待ください。
(吉田ハンチング@dcp)