韓国の前文在寅政権で「先進国になるぞー！」として頑張っていた「MSCI指数」（MSCI All Country World Index）の件です。
知らない人のために簡単に説明しますと、『MSCI』は各国の株式市場を分類しているのですが、韓国株式市場はいまだ先進国市場とはなっていません。
※状況をご存知の方は次の小見出しまで飛んでください。
↑韓国はEmerging Markets（新興国市場）に分類されています。⇒参照・引用元：『MSCI』公式サイト
ちなみに、以下の3つは韓国を先進国に分類しています。
Dow Jones（ダウ・ジョーンズ）：1999年～
S＆P：2008年～
FTSE：2009年～
残っているのは『MSCI』だけなのです。
これをなんとかしようと、文政権末期には洪楠基（ホン・ナムギ）副首相兼企画財政部長官が直々に『MSCI』とボス交に乗り出しました。それでどうなるものでもないのですが、とにかく韓国の大将はボス交がお好きです。
『MSCI』は毎年06月に上掲のINDEXの区分を公表します。ただこれで区分変更されるには、観察対象国になって『MSCI』の経過観察を受けなければならないのです。
ちなみに、韓国は李明博（イ・ミョンバク）大統領の時代、2008年06月に観察対象国になったのですが（3回なっています）、2014年06月に観察対象国から転落したのを最後に、以降は観察対象国にもなれていません。
結局『MSCI』の規準を満たすことができなかったからです。
で、先述のとおり文政権末期ににわかに「先進国に分類されたい熱」が高まり、洪長官が討って出たというわけです。
――で、06月23日、『MSCI』からプレスリリースが出たのですが……。
韓国の「か」の字もないぞ！
ものの見事に韓国の「か」の字もありません（Koreaという単語がそもそも見当たらない）。本記事にアンカーが「今年も先進国に入れず」なんて意地悪なタイトルを付けてけていますが、これは当たり前です。
前記のとおり、まだ観察国にも入っていないのですから、今年先進国に区分されなくても至極当然です。
面白いのはあの『Wall Street Journal』も「MSCI Keeps Emerging-Market Rating on South Korea, Despite Push for Upgrade」（MSCIが韓国の新興国格付けを維持、引き上げを求める声も）という記事を出していることです（以下スクリーンショット）。
「新興国格付けを維持」はまあいいとしても、では「観察対象国になれたのか？」ですが、これについても『MSCI』のプレスリリースには沈黙しています。なにせ「Korea」という単語も出ていないですので。
もし観察対象国からも漏れたのであれば、また先進国への区分が先送りになります。――どうも駄目っポイのですが、また情報が出たらご紹介します。
（吉田ハンチング＠ｄｃｐ）
