2022年08月18日、19日、22日の3日間で「18日始値:1ドル=1,315.25ウォン」から「22日終値:1ドル=1,343.70ウォン」までドル安が進みました。
2.2%の急上昇です。
さすがに事態が切迫しているので、2022年08月23日、韓国外為当局が口先介入に乗り出しました。以下がその発言です。
最近のグローバルなドル強に起因するドルウォン為替レートの上昇過程で、域外などを中心とした投機的要因があるかどうかについて綿密に点検していくだろう」
投機的要因も何卒も市場の動きなので、点検したところで止めることはできません。投機的なウォン売りドル買いだったとしてもそれがなんだというのでしょうか。売買は投資家の自由です。
たとえ「通貨アタック」だとしても規制はできません。
また、このような口先介入が効くとはとうてい考えられません。
この口先介入は2022年06月13日以来なのですが……以下をご覧ください。
「06月09日始値:1257.22ウォン」から「06月13日終値:1,291.68ウォン」まで、ウォン安が進行し、ついに「1ドル=1,300ウォン」が突破されるぞという、まさにその時韓国外為当局は口先介入を行いました。
6日はヨコヨコでなんとか推移したのですが、上に突破され、それ以上の効果を挙げることはできませんでした。
市場の勢いというのは当局の口先介入ぐらいでは止められないのです。
何度もご紹介しているとおり、ウォン安の震源はアメリカ合衆国が金融引き締め姿勢を強めていることです。これが緩和されない限り、基本的にはウォン安は止まらないと考えられます。
この直近3日での「ウォン安方向への急進」の底には、またしても『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)が近づいてきたという警戒があります。
いささかオーバーシュート気味ではありますが、週足で見ると別に上昇のチャネルラインを割っているわけではありません。むしろチャネルラインに沿った上昇となっています。
さらに天井を抜いた場合には、明らかにオーバーシュートとなりますが。
チャートのテクニカルはともかく、韓国外為当局の口先介入がどの程度効果を発揮するのかにご注目ください。先のように数日はヨコヨコ、あるいは調整が入るかもしれませんが、基本ウォン安方向は変わらないと思われます。
(柏ケミカル@dcp)