2022年11月03日、『韓国銀行』が10月時点での外貨準備高を公表しました。
当月は大きな動きがありました。
以下をご覧ください。
2022年10月
外貨準備高:4,140億ドル(約60兆9,077億円)※
(前月比:-28億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,624億ドル(約53兆3,163億円)
(証券類)
前月比:-171億ドル⇒Deposits:283億ドル(約3兆5,015億円)
(預金)
前月比:+141億ドル⇒SDRs:143億ドル(約2兆1,038億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:+0.2億ドル⇒IMF position:43億ドル(約6,326億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:増減なし⇒Gold:48億ドル(約7,062億円)
(金)
前月比:増減なし※円換算は2022年11月03日「1ドル=147.12円」のレートで算出
Securities(証券類)が一気に171億ドルも減りました。
現金たるDeposits(預金)は「141億ドル」も増え、「283億ドル」となりました。
以下は直近の外貨準備高におけるDeposits(預金)の推移です。
前月の142億ドルから急激に増加したのがお分かりいただけるでしょう。Securities(証券類)を売却して、現金確保に走ったものと見られます。
ただし、外貨準備高全体としては以下のようにまた減少しました。
対前月で「28億ドル」の減少です。
今回の外貨準備高の減少について、『韓国銀行』は以下のように説明しています。
ㅇ金融機関の外貨預収金および「その他の外貨資産のドル換算額」は増加*したが、外国為替市場の変動性緩和措置(国民年金との外国為替スワップによる一時的効果を含む)の影響などで減少
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年10月末の為替保有額」
ご注目いただきたいのは、「外国為替市場の変動性緩和措置」と為替介入でドルを溶かしたことを述べていると同時に、「国民年金にドルを提供したこと」を減少要因に挙げていることです。
10月は上掲のとおり、天井は「1,446.62ウォン」までいきましたが、終値は「1ドル=1,425.83ウォン」(チャートは『Investing.com』より引用/月足)。
なんとか陰線になりました。
このウォン安阻止の攻防でドルを溶かしたようです。国民年金との「通貨スワップ」は、『韓国銀行』が国民年金にウォンと引き換えにドルを渡すというものですが、これも地味に外貨準備高の減少に効いた模様。
ドルが減少するので、Securities(証券類)を売って玉を補充したのではないでしょうか。
楽しみなのは、これで合衆国公債の保有額がどのくらい減少しているかです。答えは12月の中旬に分かります。
(吉田ハンチング@dcp)