2022年11月14日、韓国の産業通商資源部が「’22.10月情報通信技術(ICT)輸出入動向」を公表しました。
半導体、ディスプレー、無線通信機(要はスマホ)、コンピューターなどを含むICT関連製品の輸出は、韓国にとってはドル箱です。
ICT関連製品の輸出が傾くと困ったことなります。
輸出が伸びないため、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領自身が政府機関に発破をかけているのですが、このICT関連製品輸出がどのようになっているのかを見てみましょう。
以下をご覧ください。
2022年10月 「ICT関連製品」輸出入動向
輸出:178.7億ドル(-10.3%)
輸入:137.6億ドル(+13.6%)
貿易収支(輸出 – 輸入):41.1億ドル※( )内は対前年同月比の増減
10月は前月と比較して「20.4億ドル」減少しました。
ご注目いただきたいのは、対前年同月比です。
輸出は、対前年同月比で「-10.3%」と減少していますが、輸入の方は「+13.6%」と増加しているのです。
貿易収支は「41.1億ドル」と黒字ですが、輸出が減少して輸入が増加しているのは危ない傾向です。
何の輸出が減少しているのか、品目別に見ると以下のようになります。
携帯:+13.0%
ディスプレー:-9.6%
コンピューター・周辺機器:-30.9%
コロナ禍による巣ごもり需要が一周したなどといわれますが、半導体、コンピューター・周辺機器・ディスプレーが減少しています。
直近1年のICT関連製品の輸出金額の推移を見ると以下のようになります。
輸出金額だけでは分かりにくいのですが、「対前年同月比の増減」を月次でプロットすると、推移は以下のようになるのです。
2022年03月は対前年同月比で「+34%」と、ここまでは絶好調だったのですが、07月に対前年同月比マイナスに転落。
この10月には「-10%」になりました。
ICT関連製品の輸出もやはり弱体化しているのです。
さらに面白いのは以下の比較です。
全産業の貿易収支:-67.0億ドル
ICT関連製品の貿易収支:41.1億ドル
「全産業での貿易収支は-67.0億ドル」で「ICT関連製品の貿易収支:41.1億ドル」なので、ICT関連製品を除いた貿易収支は「-108.1億ドル」と大赤字ということになります。
これでICT関連製品の輸出が弱まってさらに貿易収支が減少したらどうなるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)