Money1では連日KOSPI(韓国総合株価指数)の状況をご紹介していますが、上掲のとおりダブルボトムを作って上昇しましたが、ここのところ戻しがきています(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
毎日KOSPIの記事を読んでいただいている皆さんはお気付きかもしれませんが、外国人投資家が買い越してくれるとKOSPIも上がりやすく、外国人投資家が売り越すとKOSPIも下がることが多いのです。
韓国メディアでは、外国人投資家が大きく売り越すと「外国人投資家がセルコリア」、外国人投資家が大きく買い越すと「外国人投資家が帰ってきた」と報道しがちです。
――で、ダブルボトムを作ってKOSPIが上昇してきた過程において、やはり外国人投資家は買い越しで動いていました。
ダブルボトムの右の底からの上昇が始まったのが10月13日、上昇のてっぺんが11月14日として、この期間は外国人投資家は確かに買い越しです(約3.4兆ウォン)。
しかし、です。韓国メディアの皆さんが心配しているのは直近の下落です。
直近1週間の下りでは、外国人投資家は「3,479億ウォンの売り越し」なのです。
そのため、またぞろ韓国メディアに「外国人投資家がセルコリアを始めた」「また外国人投資家が去っていくのでは……」という報道が出ています。
『毎日経済』の記事から一部を引用すると以下のような具合です。
21日、韓国取引所によると、1週間(11月14~18日)の間、外国人が有価証券市場(コスピ)で純売却した金額は1,872億ウォンと集計された。
外国人が純売り越ししたのは(1週間基準)09月の最後週以降初めてだ。
直前3週間、外国人は毎週1兆ウォン以上純買収したが、突然流れが変わった。
21日の1日だけ見ても外国人は2,000億ウォン以上も売り越した。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「10月に反騰率いた外国人、再びセルコリア」
まさに突然の売り転で、だからこそセルコリアが続くのではないかという不安に駆られているのです。
何が原因かというと、韓国の証券マンは中国市場にあると見ています。
実際に外国株の取引をされる方はご存じでしょうが、中国の株式市場では強烈なセルチャイナの動きがあって、資金が抜けました。
抜けた理由は、外国人投資家がいよいよ中国株式市場は危ないとリスクを回避したからです。
中国株式市場が下落する過程で、その抜けた資金の一部が韓国市場に流れKOSPIを押し上げたと見ているのです。実際、10月22日以降、外国人投資家はKOSPIで毎週1兆ウォン以上を買収しているのです。
問題はこの先で、中国の政治リスクに伴う韓国への資金流入は止まったと見るべきで、だとすればKOSPIはまた調整局面が訪れるのではないか――とも読めます。
実際、上昇への戻しが来ているのは事実です。注目はこの戻しがどこで止まるのか、です。
(吉田ハンチング@dcp)