韓国ロシア産ナフサを迂回輸入!「欧米の監視」逃れ

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『韓国経済研究院』のリポートによると、2020年規準で韓国はOECD加盟国のうち最も石油依存度が高い国です。

GDP1万ドル当たりの石油消費量は5.7バレル

で世界第1位です。また、国民1人当たりの石油消費量は18.0バレルで、こちらは世界第4位

⇒参照・データ引用元:『現代経済研究院』公式サイト

韓国は原油価格の高騰が直撃する経済であり、あぶらが入ってこないと立ち行かなくなる国であることを示しています。

今回のウクライナ戦争でロシアからの石油輸出が滞った韓国は非常な困難に直面したはずです。なぜなら、韓国は石油化学製品に使用するナフサの世界最大の輸入国であり、実に59万トンをロシアに依存していたからです。

これは、韓国が輸入するナフサのほぼ1/4に相当する量です。

どうやって凌いでいるのでしょうか。『Reuters(ロイター)』に非常に興味深い記事が出ています。

韓国はチュニジアからのナフサ輸入を急増させているのですが、これはもともとロシアからチュニジアに送られたものであるというのです。

つまり迂回輸入です。

ロシアからチュニジアへ、そしてチュニジアから韓国へとナフサが送られているのです。以下に『ロイター』の記事から一部を引用します。

(前略)
一方、韓国国営石油公社(KNOC)のデータによると、ソウルは先月、チュニジアから74万バレル(約8万2,000トン)のナフサを輸入している。

2021年全体ではゼロ、2020年11月にはわずか19万2,000バレルであった。2019年までKNOCのデータをさかのぼってみても、チュニジアからのナフサ輸入は2020年11月が唯一であった。

『Refinitiv』のデータによると、ソウルは今月もチュニジアから約27万4千トンのナフサを受け取ることになっている。

『Rystad Energy』の市場分析担当副社長Manish Sejwal氏は、新しい貿易ルートについて「このリルートは主に欧米の監視を避け、安価なロシア産を利用するためだ」と述べた。

韓国の貿易省はコメントを控えた。チュニジアの貿易省はコメントの要請に応じなかった。

『Refinitiv』のデータによると、ロシアのナフサは今年8月からチュニジアのLa Skhirra港に到着し、先月、北アフリカの国は韓国向けに最初の貨物を出荷した。
(後略)

⇒参照・引用元:『Reuters』「Tunisia to South Korea: A new trade route for Russian naphtha」

当記事によれば、まずロシアのNovorossiysk(ノヴォロシースク)からチュニジアのLa Skhirra(スキラ)に向かいます。


↑ロシアのNovorossiysk(ノヴォロシースク)は黒海沿岸の港湾都市。まさに現在ウクライナ戦争が戦われているすぐ横/PHOTO(C)GoogleMap


↑チュニジアのLa Skhirra(スキラ)はガベス湾の海岸にある街。チュニジアとアルジェリアの油田からのパイプライン用大規模な石油ターミナルがある/PHOTO(C)GoogleMap

チュニジアのスキラから韓国向けのナフサが出荷される――となっています。


↑『Reuters』の報道が正しければ上掲のようなルートでロシア産のナフサが韓国に運ばれていることになる/PHOTO(C)GoogleMap

『ロイター』は「新しい貿易ルートができていた」と書いていますが、本当に欧米の監視を避けるための迂回輸入であれば……どういうことになるのか要注目です。

(吉田ハンチング@dcp)

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