2022年12月01日、韓国の関税庁から2022年11月の輸出入動向のデータが出ました。暫定版ながらこれで11月が締まったのですが、いよいよ危ない感じになっています。
まず以下をご覧ください。11月の結果です。
2022年11月
輸出:519億1,400万ドル(-14.0%)
輸入:589億2,500万ドル(+2.7%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-70億1,100万ドル2022年01~11月累計
輸出:6,290億6,000万ドル(+7.8%)
輸入:6,716億2,100万ドル(+21.2%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-425億6,100万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「22年11月の輸出入の現状」
11月は「貿易収支:-70億1,100万ドル」の大赤字で締まりました(ただし通関ベースであることにご注意ください)。
ご注目いただきたいのは、輸出の「対前年同期比」です。
11月は「-14.0%」と大きく落ち込んでいます。対して輸出は「+2.7%」と対前年同期比で増加しています。輸出が減っているのに輸入が増えていますから、「輸出 – 輸入」で求める貿易収支が増えるわけはありません。
韓国は貿易収支が十分に大きくないと国が成り立ちません。これまで韓国政府は(前文在寅政権のときから)「輸出が増えているから大丈夫」と言い続けてきました。
しかし、以下のように10月から対前年同期比で輸出金額はマイナスに転じました。
これまでの政府の言い分を信じるなら、「大丈夫じゃなくなった」わけです。
以下が貿易収支の11月までの推移です(あくまでも通関ベース)。
これで8カ月連続の貿易赤字が確定しました。
01~11月で累計「425億6,100万ドルの赤字」です。これほどの連続赤字は、1997年アジア通貨危機前までさかのぼらないとありません。
これは当然の話で、貿易収支が赤字な分を外国からの借金で埋め(ファイナンスし)、それが償還できなくなったのがアジア通貨危機時の韓国の実相だからです。
2008~2009年の韓国通貨危機時も結局構造は同じで、ことほどさように韓国は貿易でもうからなくなると危なくなるのです。
現在、韓国は企業の資金調達が難しくなって、サムライボンドだ、いやカンガルーボンドだ、などと言い出していますが、大丈夫かなぁという状況です。いつか来た道に絡め取られつつあるのでは――そんな懸念が起こって当然です。
まもなく2022年10月の国際収支統計が公表されます。
「通関ベース67億ドルの貿易赤字」で経常収支がどうなるのか……乞うご期待です。
(吉田ハンチング@dcp)