2022年10月18日、韓国の『現代自動車』が非常に興味深い公示を出しました。以下をご覧ください。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。
2022年第3四半期の品質コスト
当社は、2022年第3四半期の経営成績に「シータ2 GDiエンジン」に関する追加の引当金を設定し、先制的な顧客保護措置のために約1.36兆ウォン規模の品質コストを反映する予定です。今後、当社は基本的な改善策の構築とプロセスイノベーションを通じて品質問題再発防止に注力し、当社品質に対する顧客信頼の回復に最善を尽くします。
第3四半期の業績に、1.36兆ウォンの品質引当金を積むとしています。これは「シータ2 GDiエンジン」にあった欠陥のリコール対応の費用です。
先に電気自動車の出火で品質引当金を積んだことがありましたが、あのときと同様で、これは『現代自動車』の業績にマイナスの影響を与えます。
グループ企業である『起亜自動車』も同様の公示を出しています。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。2022年第3四半期の品質コスト
当社は、2022年第3四半期の経営成績に「シータ2 GDiエンジン」に関する追加の引当金を設定し、先制的な顧客保護措置のために約1.54兆ウォン規模の品質コストを反映する予定です。今後、当社は基本的な改善策の構築とプロセスイノベーションを通じて品質問題再発防止に注力し、当社品質に対する顧客信頼の回復に最善を尽くします。
同じく「シータ2 GDiエンジン」の追加引き当て金を積むとしています。『起亜自動車』は「1.54兆ウォン」です。
こちらも第3四半期の業績にマイナスとなります。
『現代自動車』『起亜自動車』合わせて「2.9兆ウォン」(約2,900億円)となります。
シータ2 GDiエンジンの欠陥は根深いものです。
同エンジンは、『現代自動車』『起亜自動車』が2008年に「独自開発した」とし、韓国にとっては主力ガソリン・エンジンです。
そこまでは誇らしい成果だったのですが、2011年以降にアメリカ合衆国で原因不明のエンジン火災が発生。2015年には走行中にエンジンが止まるという現象が確認されます。
合衆国では166万台(2015年:47万台 + 2017年:119万台)、韓国では23万台リコールとなりました(合衆国・韓国などで計204万台に達します)。
それだけではありません。
合衆国の消費者が2017年に集団訴訟を起こします。
訴訟は2019年になってようやく和解に至ったのですが、『現代自動車』『起亜自動車』は消費者補償金を660億ウォン、469万台について生涯保証・修理を提供することになったのです。
無茶苦茶な和解案に見えますが、とりあえずこれでエンジン欠陥については和解に至りました。
しかしながら、これは現在にまで尾を引いています。
今回の品質引当金の積み増しについて、『現代自動車』関係者は「生涯保証決定後、エンジン交換事例が予想より多く、追加で引当金を積み立てることに決めた」と述べています。
つまり、本件はいまだ現在進行形なのです。
ただ、『現代自動車』『起亜自動車』にとっては電気自動車に主力商品が移行しつつあるのは福音かもしれません。いつまでも不具合が出る内燃機関エンジンを終了できるからです。もっとも、電気自動車でバッテリー火災が起こったりしているわけですが。
韓国の皆さんにとっては耳の痛い話かもしれませんが、事実なので仕方ありません。
ともあれ、『現代自動車』『起亜自動車』の2022年第3四半期の業績はこの引当金の積み増しによって下方修正必至です。最高益を出すのではないか、などと予想もされていただけに残念な事態になりました。
(吉田ハンチング@dcp)