2022年12月30日、韓国・李明博(イ・ミョンバク)前大統領が年末恩赦で赦免され、静養していたソウル大学病院から自宅へと帰還しました。
韓国メディア『朝鮮日報』によれば、取材陣に対して李明博(イ・ミョンバク)さんは以下のように語ったとのこと。
「国民の皆さんにご心配をかけたことについて非常に申し訳ないと思う」
「新年を迎え、韓国が世界的な危機を克服するために国民全員が力を合わせなければならない」
「大韓民国が正義の自由民主主義国家として再び経済繁栄を通じて国民全員が、特に庶民層の雇用を得て福祉が強化される良い国になるように、国民の皆さんが力を集めなければならないと見ている」
「私は大韓民国の繁栄のために祈ることで役割を果たす」
日本では「竹島上陸」「天皇不敬発言」で有名な李明博(イ・ミョンバク)さんですが、この人は『現代建設』の社長を務めたことのある事業家です。
社長までいけた道、その端緒は朴正煕(パク・チョンヒ)大統領のひと言にあったことをご存知でしょうか?
室谷克実先生の著作から引いてみると以下のような具合です。
(前略)
こんな話もある。朴正煕大統領がある席で、現代の鄭周永社長に「李明博君は元気か」と声をかけた。
「ははあ」と言って財閥に戻った彼は、李明博(イ・ミョンバク)なる人物を探した。
現代の母企業、現代建設の西氷庫重機工場の管理部門で働く青年だった。
彼は高麗大学の学生の頃、朴正煕(パク・チョンヒ)将軍の娘の家庭教師をしていた。当時、清貧に甘んじていた将軍は、アルバイト料の高いソウル大生を家庭教師に雇えなかったのだ。
李明博(イ・ミョンバク)氏は直ちに本社勤務になり、三十九歳で現代建設の社長になった。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国人の経済学 新板』著:室谷克実,ダイヤモンド社,1989年01月20日 新板発行,pp69-70
※強調文字、赤アンダーラインは引用者による。
縁は異なものですが、李明博(イ・ミョンバク)さんは徒手空拳から『現代建設』の社長になったスーパーサラリーマンと称されましたが、それは「朴正煕(パク・チョンヒ)大統領と面識があった」からこそのことだったのです。
同様のことは池東旭先生の著作にも登場します。韓国では広く知られた事実ですが、日本ではあまり一般的ではないようです。
さすがの朴正煕(パク・チョンヒ)大統領も、娘の家庭教師を務めた『高麗大学』の学生が後年「大統領になる」とは想像もしなかったでしょう。
昔話はともあれ、これで保守陣営は拘置所へ送られた保守系前大統領2人を取り戻しました。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)の2人は朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の縁故者ともいえます。
「2人空いて2人埋まる」ではないですが、李在明(イ・ジェミョン)さん、文在寅前大統領は拘置所へ行くことになるでしょうか。李在明(イ・ジェミョン)さんはすでに起訴されていますが(大統領選挙時に虚偽事実を述べた件)、文在寅さんはいまだ起訴されていません。
検察の手が文在寅さんまで届くのかは要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)