2023年03月14日、韓国の産業通商資源部が「2023年02月のICT関連貿易」の結果を公表しました。
これがかなり問題のある結果です。
まず以下をご覧ください。
※全体産業(501.0億ドル)対比で情報通信技術(ICT)輸出(128.2億ドル)は「25.6%」を占める2023年02月 ICT関連輸出入動向
輸出:128.2億ドル
輸入:110.0億ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):18.2億ドル⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「02月の情報通信技術(ICT)輸出128.2億ドル、輸入110.0億ドル」
ICT関連の輸出は、韓国の誇る半導体、ディスプレー、スマホなどが当てはまり、まさに「ここでもうけなければならない」という部分です。
しかし、貿易収支は「18.2億ドル」と非常に低調なもうけとなっています。
全体産業での貿易収支が「2023年02月:-53.0億ドル」ですから、ICT関連を除いたら「-71.2億ドル」ということになります。
これ自体も大問題ですが、ご注目いただきたいのは、2022年02月が「74.5億ドル」の黒字だったことです。
1年間でICT関連の輸出入において、黒字が75.6%も減少したことになります。
主要品目ごとに見ると、韓国輸出の大黒柱といってもいい半導体の輸出不振が目立ちます。
システム半導体:26.9億ドル(-25.5%)
メモリー半導体:29.2億ドル(-53.9%)
小計:61.1億ドル(-41.5%)
※( )内は対前年同月比の増減
半導体は需要が回復せず、単価が下がっているため、全体で41.5%も減少しています。メモリー半導体は「-53.9%」とひどい結果です。
他の主力品目も以下のようによくありません。
スマートフォン(完成品):1.7億ドル(-36.2%)
コンピューター・周辺機器:6.5億ドル(-58.6%)
SSD:3.7億ドル(-72.0%)
※( )内は対前年同月比の増減/OLEDは有機ELディスプレー/SSDはSolid State Drive(ソリッド・ステート・ドライブ)の略
また、注目されている対中国輸出も大きく減少しています。
半導体:32.4億ドル(-45.0%)
ディスプレー:4.6億ドル(-49.5%)
コンピューター・周辺機器:1.8億ドル(-61.1%)
スマートフォン:6.2億ドル(+7.5%)
※( )内は対前年同月比の増減/このデータは香港への輸出も含みます
産業通商資源部は、対中国輸出が悪い理由を「コロナ防疫政策は緩和されたが、需要減少およびリオープニング効果の低調などが持続してているため」としています。
ICT関連輸出が復調しないと韓国の輸出も回復しないでしょう。韓国政府の悩みは深いものになっています。
(吉田ハンチング@dcp)