韓国では2021年外為取引の量が急増したことが分かりました。
2022年01月26日、『韓国銀行』が非常に興味深いデータを公表しました。「2021年 外国為替銀行の為替取引動向」です。以下をご覧ください。
2021年 外国為替銀行の外国為替取引動向
□2021年の外国為替銀行の1日平均外国為替取引(現物通貨および外国為替デリバティブ取引)規模は以下。
583.1億ドル※。
前年(528.4億ドル)対比:54.7億ドル(+10.3%)増加
※2008年統計改編以後で最大値現物為替:227.1億ドル(対前年同期比:+24.0億ドル)
外国為替デリバティブ:355.9億ドル(+30.7億ドル)
全ての取引規模が増加⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年中外国為替銀行の為替取引動向」
2020年は外為取引は1日平均「528.4億ドル」(約6兆280億円)だったものが、「54.7億ドル」(約6,240億円)も増えて「583.1億ドル」(約6兆6,520億円)となりました。
現物「227.1億ドル」(約2兆5,908億円)、外為デリバティブ「355.9億ドル」(約4兆601億円)で締まり、それぞれ「現物:11.8%」「外為デリバティブ:9.4%」膨らんでいます。
2021年にここまで外為取引量が伸びた理由は、コロナ禍からの回復によって輸出入が増加したこと、西学アリに代表される韓国から海外への資金投入の増加などが考えられます。
忘れてはいけないのが、海外の投資家の資金の出し入れの増加です。
外国の投資家が韓国内に投資するときには、外貨をウォンに換えなければなりません。逆に韓国からお金を引き上げるときにはウォンを外貨に換えます。
以下は『韓国銀行』が公表した、2021年外国人投資家の韓国有価証券市場での純売買の動向です。
外国人の証券投資資金(純売買金額)
2020年01~12月(累積)
株式:-182.4億ドル(約-2兆808.2億円)
債券:217.1ドル(約2兆4,766.8億円)
小計:34.7億ドル(約3,958.6億円)2021年01~12月(累積)
株式:-174.4億ドル(約-1兆9,895.6億円)
債券:561.5億ドル(約6兆4,055.9億円)
小計:387.1億ドル(約4兆4,160.4億円)※「買収 – 売却」の数字です。買収の方が多ければプラス(= 買い越し)、売却の方が多ければマイナス(= 売り越し)になります。
これは純売買の金額ですが、債券への投入額は2020年と比較して2021年は2.59倍となっています。これだけ見ても、2021年に外為取引がいかに膨らんだかが分かります。
1日平均で「54.7億ドル」も増加したというのは驚きです。外国の資金が流れ込んでいるうちは大丈夫ですが、これが出ていく方が多くなって、資金流出で外為取引が増えるとまずいことになります。
(吉田ハンチング@dcp)