中国地方政府の債務問題はまさに大変な局面になっています。
中国のリオープニングなどと喧伝されており、また中国共産党中央政府は「中国に投資する機会がきた」などと投資の誘致に務めていますが、それもこれも「どこかからお金を引っ張ってこないと回らないから」です。
全くいい気なものですが、中国共産党は「一般日本人を拘禁するような国に投資するバカがいる」と考えているのです。なめられているとも言えるでしょう。
『Reuters(ロイター)』や『Bloomberg』の推計を信じるなら、中国地方政府の債務は約61.6兆元(約1,204.9兆円)。気が遠くなるような額です。
すでに「もう無理っス」とギブアップした地方政府もあります。貴州省です。
どれほどダメな感じになっているのかご紹介すると――過去3年間での歳入は「2,000億元」(約3兆9,120億円)ありません。
一方の歳出は「5,500億元」(約10兆7,580億円)です。
つまり、この3年間で4兆円しか収入がないのに、11兆円を支出しているのです。
足らない分はもちろん借金で埋めており、2022年末時点での債務残高は「1兆2,470億1,100万元」(約24兆3,913億円)です。
通貨発行権のない地方政府です。
これをどうするつもりなのでしょうか。貴州省の財務担当者だって、ただただ頭がぼーっとするばかりでしょう。
2023年04月11日、『貴州省政府発展研究センター』の財政、税務、金融研究部門は、省内の特別調査を実施したことを明らかにしました。
また、「(債務問題が)重大かつ緊急の問題」であることを認め「自らの能力だけでは効果的に問題を解決することは不可能」と認めています。公的な機関によるギブアップ宣言というしかありません。
傑作なのは、このギブアップの言葉が『Weibo』などのSNSで拡散され、「貴州省だけではない」「うちの省も駄目なのではないか」という声が上がったことです。
ところが、そこは言論の自由がない中国。急速に拡散した本件の情報I、記事はスグに削除され、転載記事の主要プラットフォームから消去されています。
興味深いのは「自らの能力だけでは」の部分で、実際「中国国務院発展研究センター」の協力を得て、解決策を模索するとしています。
しかし……です。中国共産党中央政府は、地方の債務問題については01月に「知らんがな」という声明を出しているのです。地方政府が公的にデフォルトを起こしても、中央政府が助けるかどうかは非常に疑問です。
阿鼻叫喚の明日が、もう「すぐソコ」かもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)