韓国政府「原発処理水」を巡るドタバタ。「日本は科学的に語るな。韓国が傷つく」なのか

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原発処理水の放出問題について日韓のせめぎ合いが激しくなっています。

韓国側は「汚染水」と呼んで日本を非難する材料としています。これは中国も同じです。日本側は海洋放出してもいい基準に則った「処理水」と呼称しているのですが。

韓国メディア『中央日報』に、韓国政府が汚染水から処理水への呼称変更を検討しているという記事が出ました。

2023年05月11日、韓国外交部の定例記者ブリーフィングで本件についての質問が出て、報道官が回答していますので、該当箇所全文を以下に引用します。

<質問>
韓国政府が福島原発の汚染水(原文ママ:引用者注/以下同)を「処理水」に変える用語の変更を検討しているという報道がありますが、これが正しいかどうか確認お願いします。

また、日本は福島原発汚染水に対する韓国視察団の役割について検証ではないと発表したことがあります。 これに対する立場があれば教えてください。
(『メディアペン』キム・ソジョン記者)

<回答>
まず、韓国政府は一貫して日本の福島汚染水と呼んでいます。

そして、2番目の質問に関連して、用語や表現の違いではなく、私たちの視察団が『IAEA』の検証とは別に、韓国国民の懸念を払拭するために、韓国の専門家で構成された現場視察団を派遣すること自体が非常に大きな意味があると考えています。

これまで韓国政府は、さまざまなチャンネルとビデオ会議を通じて汚染水処分の安全性検討に必要な情報を提供され、分析してきました。

今回、政府関連省庁と傘下機関の専門家が汚染水処分関連施設と設備の現場を訪問して直接確認し、必要な専門的な分析をする機会ができたのです。

政府は、視察団が行く前に綿密かつ徹底的に準備して、私たちに必要な情報を確認する予定です。

<質問>
続いての質問ですが、今現在一貫して汚染水と呼んでいますが、これを「処理水」に変更することを検討しているのか、今後、視察団が日本に行ってきてから検討する計画があるのか、それについての回答をまずお願いします。

そして明日の局長級協議で、日韓局長級協議で視察団に関連して正確にどのような部分を調整するのか、それに対する回答もお願いします。
(『聯合ニュースTV』ハン・サンヨン記者)

<回答>
先ほども申し上げましたが、韓国政府は一貫して汚染水と呼んでいます。 そして、「処理水」に変更する案については検討したことはありません。

明日開催される日韓局長級協議では、私たちの視察団の汚染水浄化処理施設、海洋放出関連設備の運用方式など、私たち側が科学的かつまた、技術的な安全性分析に必要な事項を確認できるように日本側と協議する予定です。

<質問>
追加的に、先ほど言われた汚染水の安全性を分析し、確認できるように協議をすると言われましたが、この分析する作業が日本現地で行われるのでしょうか?
(『メディアペン』キム・ソジョン記者)

<回答>
すでに私たちが明らかにしましたが、視察団は今月23日、24日に現地で活動する予定であり、そのような日程を考慮して日本側と必要な協議と日程を明日具体的に協議する計画です。

それによって必要な情報を私たちが追加的に得られれば、後日、関連する分析作業も行われると考えています。

⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「外交部の説明(05.11)」

岸田首相が訪韓して、韓国の視察団を受け入れると言わなくてもいいことを表明しました。確かに韓国以外にも視察団は受け入れていますが、こういう隙こそ韓国に見せてはならないのです。

日本と韓国の関係が改善したなどと報じられていますが、「日本が一方的に韓国を甘やかすこと」を改善と呼ぶなら、改善しない方が日本のためです。

岸田首相および政府の甘さが悔やまれますが、経済産業省では「検証をさせるわけではない」という立場です。

記者からの質問にこの点を突いています。上掲のとおり、報道官の回答は「まず視察団を派遣することに意味がある」としており、「参加することに意味がある」みたいな物言いです。

また、「必要な専門的な分析をする機会」と言いましたが、実際に分析したりが可能かどうかについては、それは日韓局長級協議で明日(=2023年05月12日、本日)協議すると逃げました。

ちなみに「汚染水」「処理水」の用語の使い方については以下のようになっています。

日本
「処理水」(Treated Water

韓国
「汚染水」(Contaminated Water

中国と北朝鮮
「核汚染水」(Nuclear Contaminated Water

上掲のとおり、中国と北朝鮮はご丁寧に「Nuclear」を付けて危険性をアピールし、日本の海洋放出がいかにも危ないことをするかのように印象操作を行っています。

科学的には、日本と『IAEA』が正しいわけですから、韓国の言いがかりや難癖は引っ込めるしかないのです。しかし、国民がそれで納得するかどうかは分かりません。

またぞろ「尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は親日」などという意味不明な非難が出て、これを政権奪取に利用したい左派・進歩系の人士が騒ぎ立てるでしょう。

なにせ「日本は論理的に語るな。韓国が傷つく」などと平気で述べるお国柄なのです。

韓国「日本は論理的に語るな。われわれが傷つく」
Money1でたびたび著作から引用させていただいている松本厚治先生は、1968年に東京大学経済学部を卒業して通産省に入省、1982年には駐韓日本大使館に一等書記官として赴任。後に参事官として勤務、1985年に帰国という経歴をお持ちです。その...

現在の韓国政府が世にもあほらしいドタバタ劇を演じる羽目になっているのは、そもそも前文在寅政権の際に「日本の処理水に問題あり」と規定してしまったからです。福島県産の海産物にレッテルを貼り輸入禁止などの措置を取って引っ込みがつかなくなりました。

「日本は科学的に語るな。韓国が傷つく」ということなのです。

脇の甘い岸田政権でも、さすがに一線は守るでしょうが、韓国を甘やかすことのないようにしたいところです。

(吉田ハンチング@dcp)

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