2025年07月04日、『韓国銀行』が「2025年05月の国際収支統計」を公表しました。
2025年05月
貿易収支:106億6,490万ドル
サービス収支:-22億8,300万ドル
第1次所得収支:21億4,850万ドル
第2次所得収支:-3億8,890万ドル
経常収支(上記4つの合計):101億4,150万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
当月の経常収支は100億ドルを超えて「101.4億ドル」を達成しました。
この結果は、貿易収支が「106億6,490万ドル」と大きな黒字になったのが原因です。
何度もご紹介しているとおり、韓国の経常収支は貿易収支額に依存しています。貿易収支の黒字がある程度の規模ないと経常収支は黒字になりません。貿易収支の赤字転落 ⇒ 経常収支の赤字転落 ⇒ 経済危機というのが韓国のパターンです。
当月に貿易収支が100億ドルを超えたのは、輸入額が異常に減少したからです。
輸出:569億3,300万ドル
輸入:462億6,810万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):106億6,490万ドル
2024年01月~2025年05月の平均「輸入額」は「491億5,660万ドル」です。当月は462億6,810万ドルですから、輸入額が小さく済んだぶん貿易収支が大きくなったのです。
実は同様に輸入額が大きく縮小して、貿易収支が100億ドルを超えたことがあります。2024年06月です。このときは以下のようでした。
輸出:590億142万ドル
輸入:468億7,990万ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):121億3,430万ドル
貿易収支が「121.3億ドル」となり、この効果で経常収支も「130億9,620万ドル」となりました。
輸入というのは「外国からする消費」ですので、「輸入が減って貿易黒字が大きくなったわーい」では済みません。内需が弱ってるんじゃないの?――と考えられるからです。
外貨準備の増減が5カ月連続でマイナス! おかしくないですか?
当月の国際収支統計で面白いのは、やはり金融収支の方です。以前ご紹介した「外貨準備の増減」ですが――当月もまたマイナスになっているのです。以下をご覧ください。
↑黄色でフォーカスしているのが2025年01~05月の「外貨準備の増減」です。▲は「マイナス」の意味です。⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
外貨準備の増減は5カ月連続でマイナスで、これで累計「-202億3,810万ドル」です。
国際収支統計によれば、外貨準備は202億ドルも減少していることになるのです。これはいいのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)