韓国が気にしている半導体産業の景気のお話です。
『TrendForce(トレンドフォース)』が2023年第1四半期の「DRAM」市況の結果を集計・公表したのですが、韓国にとってはガッカリな内容です。
まず、『SKハイニックス』の世界シェアが3位に転落しました。2位に浮上したのはアメリカ合衆国『Micron(マイクロン)』です。
以下のプレスリリースをご覧ください。
『TrendForce』は、DRAM業界の第1四半期の売上高が前四半期比で 21.2%減少し、総売上高が96億 6,300万米ドルになったと発表しました。
この大幅な落ち込みは、3四半期連続で収益が減少したことを意味します。さらに詳しく見てみると、出荷量の増加は『Micron』のみであり、他のサプライヤーは減少したことが分かった。
(中略)
しかし、業界では、計画的な減産により、価格の下落率は徐々に緩やかになると予想している。
『TrendForce』の第2四半期の見通しでは、出荷台数は増加するものの、価格下落が進行しているため、売上高が増加する可能性は限定的であると思われる。
『サムスン電子』、『Micron』、『SKハイニックス』の3大サプライヤーは、それぞれ四半期の売上高が減少したと報告している。
『サムスン電子』は、新機種の受注減少により出荷量とASPが減少し、前四半期比24.7%減の約41.7億ドルの減収となった。
『Micron』は、決算の早期化と前年度末の受注が寄与し、23年第1四半期に2位に浮上した。
大手3社の中で唯一出荷台数がプラス成長を記録したものの、僅かながら3.8%減収することを避けられず、総売上高は27億2,000万ドルとなった。
『SKハイニックス』は、出荷台数、ASPともに15%以上減少し、売上高は31.7%減の23.1億ドルとなった。
『TrendForce』が以前から予想していた、ASPの急速な低下により、ビッグ3が2023年第1四半期に黒字から赤字に転じるという予想が現実となった。
DRAM価格の下落が続いているため、第2四半期の営業利益は赤字が続くと予想される。
これを受けて、主要サプライヤー3社とも減産に着手しており、第2四半期の稼働率は、『サムスン電子』が77%、『Micron』が74%、『SKハイニックス』が82%に低下する見込みである。
(後略)
『TrendForce』は2023年第1四半期の『サムスン電子』『SKハイニックス』『Micron』3社共に営業利益が赤字になるだろうと予測しましたが(半導体事業については)当てて見せました※。
※『サムスン電子』は半導体だけやっているわけではないので、かろじて黒字にしたのは先に記事にしたとおりです。
その『TrendForce』が、各社とも減産体制に入っているので、第2四半期はマシになるだろが、それでも価格は下落しているので「第2四半期もやっぱり赤字になる」と読んでいます。
これが正しいのであれば、韓国の最大手半導体企業2社は赤字になる可能性が高く、韓国経済も苦しいママということになるのです。
(吉田ハンチング@dcp)