2023年06月19日、アメリカ合衆国のブリンケン国務長官と中国の習近平総書記が会談を行いました。この内容について中国の外交部がプレスリリースを出しています。全文を和訳すると以下のようになっています。
2023年6月19日午後、習近平主席は北京で米国のジョン・ブリンケン国務長官と会談した。
習近平は「世界は発展しており、時代は変化している」と強調した。
「世界は安定した米中関係を必要としており、中国と合衆国が正しく付き合うことができるかどうかは、人類の未来と運命に関わる問題である。
広い地球には、中国と米国が共に発展し、繁栄するための十分な余地がある。
中国国民は合衆国国民と同様、自尊心と自信を持ち、より良い生活を追求する権利を持っている。
両国の間に存在する共通の利益は大切にされるべきで、その成功は互いにとって脅威ではなく、チャンスである。
現在、国際社会は、中国と合衆国の関係の現状を総じて懸念しており、両国の対立や衝突を望まず、中国と合衆国のどちらかを選ぶこともなく、中国と米国の平和共存、友好、協力に期待している。
両国は歴史、国民、世界に対して責任ある態度で米中関係を扱い、世界の平和と発展に貢献し、混乱する世界に安定性、確実性、建設性を注入する必要がある」
習近平は「大国間競争は時代の趨勢にそぐわないし、ましてやアメリカ自身の問題や世界が直面する課題を解決するものでもない」と指摘した。
「中国は合衆国の利益を尊重し、米国に挑戦したり、取って代わろうとすることはない。同様に、合衆国も中国を尊重し、その正当な権利と利益を損なわないようにしなければならない。
いずれの当事者も、自らの願いに従って相手を形作ることはできず、ましてや相手の合法的な発展権を奪うことはできない。中国は常に健全で安定した米中関係を望んでおり、二大国があらゆる困難を乗り越え、相互尊重、平和共存、Win-Winの協力で仲良くするための正しい道を見出すことができると信じている。
合衆国側が理性的で実用的な態度をとり、中国側と同じ方向に進み、共同で努力し、バリでのバイデン大統領との会談で得られたコンセンサスを堅持し、関連の前向きな発言を実行に移し、中米関係が安定し改善されることを願っている」と述べた。
習近平国家主席にバイデン大統領の挨拶を伝えたブリンケン氏は「バイデン大統領は、合衆国と中国には二国間関係をうまく管理する責任と義務があり、それは合衆国、中国、世界の利益になると考えている」と述べた。
「合衆国側は、両首脳がバリ島での会談で設定した議題に戻ることを約束する。合衆国は、『新冷戦』を求めず、中国の体制を変えようとせず、対中同盟を強化しようとせず、『台湾独立』を支持せず、また、中国に対抗するつもりもない。
中国との紛争を懸念しており、中国とのハイレベルの交流を期待し、妨げられないコミュニケーションを維持し、責任を持って相違点を管理、制御し、対話、交流、協力を求める」と述べた。
習近平は、バイデン大統領に挨拶を伝えるよう、ブリンケン氏に依頼した。
王毅と秦剛が会談に出席した。
この文面ですと、合衆国のブリンケン長官は中国の望みどおりの回答をしたことになります。さて、それは実行に移されるでしょうか。日本は合衆国にはしごを外されないようにしないといけません。
(吉田ハンチング@dcp)