『Radio Free Asia』がとても面白い記事を出しています。
いよいよ危なくなってきた中国経済ですが、その失敗の原因は習近平総書記の性格にあるのだ――と指摘しています。
中国は「市場経済」などと吹聴していますが、法律・市場の上に中国共産党が載っかっていますので、そもそも自由主義経済とは程遠いものです。資本の自由な移動も認められていない国で市場経済は無理なのです。
「中国に行けば大きな市場がある」などという幻想は捨てるべきであり、そんものはありません。中国共産党幹部から賂を要求され、儲けたお金も海外に持ち出せない不毛の荒野があるだけです。
この荒野は中国共産党のみ肥え太るようにできていて、それ以外の「中国の人民」や外資は中国共産党へ栄養を供給するための肥料なのです。
この構造上、中国共産党のTopである習近平の性格に経済が振り回されるのは自明のこと。『Radio Free Asia』は以下のようにケチョンケチョンに書いた記事を上げています。一部を引用します。
(前略)
なぜ中国経済は何度も失敗しているのか? あるいは、なぜ習政権は何度も敗北を繰り返すのか?第20回全国代表大会後、習一族軍団が全権を掌握し、習近平が采配を振るうという一派閥が形成されたことに鑑みれば、今の中国政府は習政権と呼ぶしかなく、今の中国共産党は習記念中国共産党と呼ぶしかない。
習政権の失敗は習近平の性格にある。性格は運命を決める。
習近平の性格的特徴をまとめると、少なくとも3つの際立った点がある。
第1に、権力欲が強いことだ。
利己的で、権力を失うことを恐れ、何をするにも個人的権力が第一であるため、「個人的に」すべてを行う必要がある。第2に、猜疑心だ。
誰も信用しない。自分の親しい友人でさえも。誰の意見にも耳を貸さず、わずかな意見の違いでも、相手は考え直し、反対意見を持っていると疑われる。第3に、頑固、頑固、頑固、頑固。
そして昔ながらの考え方だ。過去に囚われる後方思考で、心の全体の状態は古い時代に停滞し、新しい世紀とはずれている。(中略)
上記の3つの性格的特徴を併せ持つと、必然的に間違った決断を下し、間違いを否定し、間違いに間違いを重ねるという悪循環に陥ることになる。
(中略)
習近平はことごとく失敗してきたという意見もあるだろうが、なぜ何度も権力闘争に勝つことができたのだろうか? 彼は終身制をあっさりと復活させ、第20回全国代表大会で権力を掌握した後、いわば新皇帝、紅朝皇帝となった。
習近平の古い頭脳が一党独裁の古い体制と調和しているからである。
(中略)
しかし、いざ国の統治となると、完全に失敗し、大混乱に陥っている。
なぜか? 1人が成功すれば、国全体が失敗する(毛沢東、スターリン、プーチンなど例は枚挙に暇がない)。
独裁者の成功は、国や民族の失敗を伴わなければならない。
というより、独裁者の成功は、それ自体が国家と民族の利益の犠牲と代償の上に成り立つものであり、それこそが独裁の巨大な、超コストなのである。
専制主義と独裁の本質は、国家にとっての災いであり、国民にとっての災いであるということだ。
IT業界に圧力をかけ、教育産業を潰すなどして雇用を一挙に喪失させたのは大失敗でしたが――これも政敵一派潰しの一環だった――といわれます。
不動産バブルの崩壊や地方政府の債務問題など、炎上しているといってもいい現状です。中国共産党が崩壊してガラガラポンになれば、まだ希望はありますが……中国共産党が頑張り続ける限り、先行きは暗いです。
(吉田ハンチング@dcp)