韓国「30%施工した空港」設計からやり直しの喜劇

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韓国メディア『東亜日報』が報じているのですが、2025年開港を目指して工事が30%まで進行している「鬱陵空港」です。

上掲のとおり、場所は日本海の鬱陵島。

鬱陵島の南端に造成されています。

世にもあほらしいというのは、この新飛行場を利用できる小型飛行機が韓国には一機もないのです。

国土交通部は、80人ぐらい搭乗可能な「ATR 72」航空機と「E190-E2」航空機の鬱陵島就航を検討しています。


↑「ATR 72」は、フランスとイタリアの航空機メーカー『ATR』が製造するターボプロップ双発旅客機。乗員2名(パイロット)、定員64~72席。


↑「E190-E2」は、ブラジルの航空機メーカー『エンブラエル』が製造する双発ジャットエンジン旅客機。乗員2名(パイロット)、定員97~106席。

ところが、現在建設中の空港は、より小さい「ATR 42」や「DHC-8-300(Q300)」など、50人乗り程度の航空機が離着陸できるサイズ(2C級)しからありません。

航空業界では50人以下の航空機は経済性がなく、現在保有しているところも、導入を計画しているところもないのです。Q300は2009年を最後に運用が廃止されました。

つまり、このままでは2025年に開港したとしても離発着する飛行機が全くないということになってしまいます。

ですので空港を拡大しなければならない羽目になりそうです。

仕方がないので、韓国政府は想定した航空機が離着陸できる空港基準に合うように、滑走路の両側の安全区域(着陸)などを拡張するよう設計を変更することにした――とのこと。

30%も施工が進んでいるのに、今から設計をやり直しだというのです。

しかも再設計はこれが初めてではありません。

2010年11月
滑走路1,200m、着陸帯幅150mで予備妥当性調査を受けたが不合格

2013年03月
滑走路1,100m、着陸帯幅80mに修正して予備妥当性調査を通過

安全性の問題が浮上

2015年11月
空港開発基本計画で滑走路1,200mに復元

2019年05月
着陸帯幅140mに拡大
(総事業費も5,755億ウォンから6,633億ウォンへ878億ウォン増加)

今回、駄目だというので着陸幅を150mに戻せば、なんのことはない当初のプランに逆戻りです。また、3C級空港にするなら、着陸帯の端には最低90m以上の終端安全区域(240m推奨)を設置しなければなりません。

工事も海を余計に埋め立てることになりそうです。

というわけで、韓国では世にもあほらしい「着工後の設計変更」という事態に陥っています。

(吉田ハンチング@dcp)

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