韓国「対潜哨戒機の完納が1,393日も遅延」罰金不服で裁判。結果は……

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「お笑い韓国軍」などと呼ばれることもあり、韓国軍では驚くような事案が発生しますが、これもその一つかもしれません。

2013年03月、『大韓航空』はP-3C対潜哨戒機の改良事業を4,408億ウォンで受注したのですが、納品完了が1,393日遅れました。

このため、約726億ウォンの遅延損害金を請求され、受注した金額からその分を差し引いて支払いが行われました。

この支払いを不服として『大韓航空』は訴訟を起こしました。「納品が遅延したのは発注元の軍にも責任がある」として約725億ウォンの支払いを求めたのです。

裁判の結果、2023年09月07日、ソウル中央地裁は『大韓航空』の一部勝訴の判決を出し、国に473億4,700万ウォンを支払うように命じました。全額は戻ってきませんでしたが、遅延損害金の60.3%は『大韓航空』に支払われることになったのです。

裁判所は「試験飛行に必要な暗号通信試験人材、試験飛行空域、空港施設などは政府が統制する部分だが、軍がこれを支援しなかった」と事実を認定し、減額判決を出しました。

遅延した場合の罰金はけっこう厳しい

現在の規定によると、遅延損害金は遅延日数1日当たり契約代金の0.075%となっています。武器研究・開発事業で遅延罰金の総額上限は、全契約代金の10%です。

上記の例でいうと、契約金額は4,408億ウォンでしたので、現行規定に照らせば、4,408億ウォン × 0.075% × 1,393日だと「約4,605.3億ウォン」となり、契約金額より罰金の方が多くなってしまいます。

上限10%を適用すると、4,408億ウォン × 10% = 440.8億ウォンです。

ですので現行規定からすれば、軍が過去に課した「約726億ウォン」という罰金がいかに大きかったかが分かります。

防衛に空白は認められないのは大前提ですし、1,393日も完納まで時間が掛かったというのは問題ですが――一方で遅延罰金が重すぎるというのも「いかがなものか」です。

防衛事業庁によれば、2018~2022年の5年間で、防衛産業企業に課せられた遅延罰金の件数は33件、金額は1兆413億ウォンに達するとのこと。

日本でも一部好事家に有名な韓国初の3,000トン級潜水艦「島山安昌浩トサンアンチャンホ」(上掲写真)は、『大宇造船海洋』(現在の『ハンファオーシャン』)が製造しましが、これも納期に遅れました。

そのため、約948億ウォンの遅延損害金が課されたのです。

兵器開発と遅延損害金というのは難しい問題で、09月21日には、遅延罰金制度の改善を企図した内容を盛り込んだ「防衛事業法改正案」が国会法委員会で可決されました。後は、本会議の採決を待つばかりとなっています。

(吉田ハンチング@dcp)

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