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中国・『恒大集団』許家印が逮捕で「債務どうする?」子会社の訴訟だけで9兆円も積み上がっている

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とうとう中国『恒大集団』の許家印会長が当局によって拘束されました。

当社は、当社常務取締役兼董事長である許家印が、犯罪行為を行った疑いがあるとして、関係当局より法令に基づく強制処分を受けた旨の通知を受けましたので、お知らせいたします。

なお、同取引所における当社株式の売買は、2023年9月28日午前9時をもって停止されました。当社株式の売買は、追って通知があるまで停止されたままとなります。

当社の有価証券の保有者および潜在的な投資家は、当社の有価証券を取引する際に注意することをお勧めします。

⇒参照・引用元:『恒大集団』公式サイト「內幕消息公告」

上掲は2023年09月28日に『恒大集団』が自身のホームページで公表した文書で「犯罪行為を犯した疑いがある」として取り調べを受けていることを認めています。

↑許家印会長の拘束を伝えるYouTube『ANNnewsCH』動画

香港取引所は同社株式を2023年09月28日に取引を停止し、現在も以下のように取引は再開されていません(チャートは『Investing.com』より引用:日足)。

また、同日『恒大集団』はグループ企業『恒大地産』の債務状況を以下のように明らかにしました。

本発表は、香港証券先物条例(香港法第 571 章)第 XIVA 章および香港証券取引所有価証券上場規程第 13.09 条に基づき、チャイナ・ エバーグランド・グループ(以下「当社」)が発表するものです。
香港証券取引所有価証券上場管理規則第13.09条による

当社の主要子会社である『エバーグランデ・リアルエステート・グループ・リミテッド』(以下「エバーグランデ・リアルエステート」)は、重要な訴訟への関与および債務不履行等に関する最新の状 況を以下の通りお知らせいたします:

『エバーグランデ・リアルエステート・グループ・リミテッド』は『恒大地産』のこと。中国本土で不動産ディベロッパー業を営む主力子会社:引用者注

重要な訴訟
2023年08月末現在、『エバーグランデ・リアルエステート』社は、総額3,000万元以上の訴訟案件を1,946 件抱えており、訴訟案件の総額は約4,492億9,800万元である。

期限の到来する債務決済の不履行
2023年08月末現在、『エバーグランデ・リアルエステート』は総額約2,785.32億元の満期未到来の債務に関与しており、さらに2023年08月末現在、『エバーグランデ・リアルエステート』の延滞CPは総額約2,067.77億元である。

不動産プロジェクト資産の処分
2023年08月末現在、『エバーグランデ・リアルエステート』は、株式譲渡、土地・建設仮勘定の譲渡、信託、ノミニー保有を通じて、合計73件の不動産プロジェクトの譲渡を完了している。

(中略)

保有株式の凍結
2023年08月までの1カ月間に、『エバーグランデ・リアルエステート』が執行者となった子会社および参加会社において、新たに68件の株式保有の凍結が行われた。

当社の有価証券の保有者および潜在的な投資家は、当社の有価証券を取引する際に注意する必要があります。

⇒参照・引用元:『恒大集団』「恒大地產涉及重大訴訟及未能清償到期債務事項的更新公告」

主力子会社である『エバーグランデ・リアルエステート』が総額3,000万元以上の訴訟案件を1,946 件抱え、訴訟案件の総額は約4,492億9,800万元である――という話だけでめまいがするような金額です。。

約4,493億元ですから、それだけで9兆3,724億円になります。訴えた人のほぼ全部が泣き寝入りでおしまい、になるでしょう。

約2,785.32億元の満期を迎えた債務――日本円にして約5兆8,095億円ですが――こちらも回収できないでしょう。CP(コマーシャル・ペーパー:約束手形の一種です)も紙くずになっておしまいです。

債務返済の段取りなどは一切公表されておりません。中国当局は「このままグズグズにすれば終わらせることができる」とでも考えているのでしょうか。

このような巨額の穴が空いたら、影響を受けた人(債権者)はどうなるでしょうか。その分の流動性不足は甚大な衝撃を与えます。「当局がいくらお金をまいても無駄」というのは、このような「大穴」があちこちに開いているのが一つの理由です。

まさにザルで水を汲むようなものなのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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