中国は「全民降薪(全国民が減給だ!)」時代に突入

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共産主義というと、公務員の給料など一番手厚く保護しそうなものなのですが、中国はそんな観測など吹き飛ばす大逆風時代に突入しそうです。

中国のSNSで「全国民の給料が一律削減される!」と悲鳴が上がっています。

この「全ての国民が給与削減に見舞われること」を「全民降薪」と呼んでいます。「降薪」は「減給」という意味です。

香港メディアの『星岛日报』は公務員の給与カットを紹介しています。

浙江省のある都市に住む50歳の公務員、林顺さん(仮名)は「今年の収入は3万元から4万元(人民元)下がりそうだ。私はもうすぐ定年だからいいが、若い人たちは苦しんでいる」とし、「10%減の地区もあれば、最大20%減の地区もあり、有力幹部は若い人に比べてより大きな減額になる」と述べています。

幹部の方が減額幅が大きいのは当然かもしれませんが、これが別に浙江省に限った話でないから問題です。地方政府はどこもお金がなく、

「上海の部長級公務員の年俸が35万元から20万元へ課長級は24万元から15万元へ40%以上の減額が指摘されており、さらに広東省の一部地域の公務員に対しては補助金の支給を減額し始め、北京と天津の公務員制度も減俸計画を明らかにしている」

となっています。

公務員の給与カットだけではありません。公的機関の職員の給与カットや手当の打ち切りも推進されています。

中国本土メディア、およびSNSの投稿では、北京の『同仁病院』医師の「08月の給与」が大幅に削減され、業績賞与と夜勤手当が最大50%減額された、と話題になっています。


↑「各地で医師の給与カット?/一部の業績賞与が突然半額に/給料日前日に”通告”

すごいのは、給料日の前日に突然、通知文によって給料カットが行われた、と怒りの投稿があることです。

公務員のみならず、医療機関はもちろんのこと、教師、ジャーナリスト、警察官といった職業に就く皆さんが給与の削減に見舞われています。これらは社会インフラを担う職業であって、これらの人々の収入が減り、モチベーションが下がったら、いったいどんなことが起こるでしょうか。

このような状況であるため、SNSでは「中国は 全民降薪の時代に突入した」と荒れているのです。

ちなみに北京の『同仁病院』は、中国トップの眼科病院とのことで、そのような評判の病院でこんなことになるのですから、他の医療機関は推して知るべしです。

過去2年間、給与を支払わない病院さえあるのとのこと。

上海の病院のトップ胸部外科医である谭强さんが「平均すると、1回の手術で500元(約1万円)にも満たない収入だ」とぼやいていたりします。高給取りであるはずの医師の収入がこのようになってしまうというのは、困ったことでしょう。

『Radio Free Asia』は、匿名希望のキャリア職員・徐さんから「2021年の業績賞与は2022年の初めに支給されたが、現在2023年は2021年のお金(業績賞与)を返金することになっている。 今年末の業績賞与支給時に差し引かれる」というインタビューを取っています。

「支給したボーナスを返金しろ」というのです。

テッパンであるはずの公務員の給与が減額されるのですから、まさに「全民降薪」です。

習近平さんの指導する中国は素晴らしい社会になりつつあります。

(吉田ハンチング@dcp)

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