欧米ではこのところ中国人による機密窃盗、つまりはスパイ事件が次々に明らかになっていますが、なぜか日本のメディアではあまり報じられません。
アップルに勤務していた中国人エンジニア陳継忠は、企業秘密を中国企業に渡すために盗んだとして2019年01月にアメリカ合衆国で起訴されました。ここまでは先にMoney1でも紹介したとおりですが、12月09日、検察局がこの男の家宅捜査を行ったところ、パトリオットミサイルについてのプログラムが見つかったとの報道が出ました。
陳継忠容疑者は、かつて『レイセオン(Raytheon)』社に勤務した経験があり、そのときに不法に入手したのではないかと見られています。
軍事に関する知識をお持ちの方はご存じでしょうが、レイセオン社は合衆国を代表する(ということは世界でもトップクラスの)ミサイルメーカーとして知られ、最先端の軍事技術を有しています。「パトリオット」は1991年の湾岸戦争で大きな戦果を上げたとされ、名前だけは聞いたことがあるという人も多いでしょう。
また、レイセオン社はミサイルだけでなく戦闘機、艦船に搭載するレーダーを開発していることでも有名です。最近、日本でも名前を聞くことが多くなった「Xバンドレーダー」の開発は同社が担当しました。
軍事的に非常に重要な企業にまで中国人スパイが入り込み、中国企業に機密情報を渡そうとしていたわけで、このニュースは合衆国に大きな衝撃を与えています。中国人スパイを摘発する動きはこれからも続くものと考えられます。
⇒参照・引用元:『Bloomberg(英語版)』「U.S. Says Accused Apple Secrets Thief Had Patriot Missile File」
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-12-09/u-s-says-accused-apple-secrets-thief-had-patriot-missile-file
https://money1.jp/archives/10144
(柏ケミカル@dcp)