韓国メディア『中央日報(日本語版)』が今ごろ何を言ってるんだという記事を出しています。
「円安が続きそうなので、韓国の輸出が回復しないかかもしれず、ピンチだ」というのです。
通貨安政策というのは「周辺国窮乏策」であって……という話は、しつこくMoney1でもご紹介しているとおりです。
半導体産業の業績、対中国貿易が思ったとおりに回復しないため、先から問題となっていた「円安」に目を向けたものと見られます。
日本は円安で沈没などしない
もっとも、韓国メディアは「円安で日本は沈没する」などと全く理屈に合わない話を書いてきたのですが。
上掲の先記事でご紹介したのはその典型的な例です。
「日本が円安でパニックになり、まさに沈没しかかっている」という思い込みで、兜町の証券マンの皆さんに取材したところ――全然そんなことはなかった、という赤っ恥以外のなにものでもない内容です。
ただ、正直に書いた『韓国日報』の記事は賞賛に値するでしょう。
「韓国人はウソばかりつくが正直だ」という古田博司先生の至言を体現した一つの例だともいえます。
韓国は「円安」になると国が傾く
以前にもご紹介しましたが、韓国が円安になって国が傾くのは当たり前の話です。
なぜなら、そもそもが「日本をまるごとコピーしよう」とした世界に類を見ない国だからです。
朴正煕(パク・チョンヒ)大統領は、世界的に見ても底辺クラスのド貧乏だった韓国を経済的に発展させるため、日本式の輸出大国になる道を選択しました。
もちろんお金はありませんから、日本から導入し(1965年の日韓請求権協定で得た)、日本を説得して技術協力もしてもらい、国を興すのに起業、社会インフラの整備に尽力しました。
残念ながら、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領は強引に国を発展させるために独裁者であるしかなく、それは自由民主主義に反するため、志半ばで暗殺されるしかありませんでした。
その後、韓国の企業人が日本企業からの技術剽窃に励んで大きくなったのが韓国企業です。
ですから、韓国の発展は日本の高度成長をまるごと(仕組みだけでなく技術も)コピーして手に入れたものなのです。こんな国は他にはありません。恐らくこの後も出てこないでしょう。
ただし、あくまでも劣化コピーです。なぜなら成果だけを性急に追及したため、自分たちで基礎から積み上げるという努力を怠りました。
だからこそ、半導体産業においても川上の素材・部品・装備はすっかり日本企業に押さえられているという状況になるのです。
これなど、華々しいところだけ求めた「外華内貧」(日本にはない四字熟語ですが韓国では使われます)の精神の発揮そのものです。
本家日本に勝つためには通貨安が必須
本線に戻ります。
この「日本を丸ごとコピーしてやれ」の結果生まれた韓国・韓国経済は致命的な欠点を持っています。
オリジナルがないのです。
そもそもがコピーであるため輸出品目が被っており、本家の日本に勝って「世界で韓国製品が売れる」ためには、価格で勝負するしかありません。
ですから、韓国にとっては「絶対にウォン安でなければならない」のです。
円安になって、日本製品の価格戦闘力が韓国製品に優るようになると、高品質な日本製品に勝つことができず、売れなくなります。
これが現在まで続く「全般状況」であって、そのため韓国は円安(対円でのウォン高)になると、輸出頼みの経済が傾くのです。
先記事で貼った円ウォンのチャートを以下に再度貼ります(チャートは『Investing.com』より引用:月足)。
韓国がドボン騒動を起こした、1997年のアジア通貨危機、2008~2009年の韓国通貨危機の前には上掲のとおり、円ウォンのチャートが極めて低下しています。
対円でウォン高が進んだのです。
韓国がドボン騒動を起こす直前には、対円でのウォン高が前触れのように現れるのです。
その意味では、現在韓国にとって危ない状況です。
(吉田ハンチング@dcp)