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韓国で再び尿素大乱か。中国が急遽「通関を停止」

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2023年11月30日、中国の海関総署が韓国に対する「尿素」の通関を止めました。

これにより韓国ではまた2021年に起こった「尿素大乱」が繰り返される可能性があります。

尿素は尿素水をつくるための原材料で、尿素水はディーゼル車の排気ガスを環境基準に適合させるための触媒として使用されます。2021年の際には、尿素水不足に陥り、陸上物流の要であるトラック、貨物運搬車の運行に困る――という事態に陥りました。

ディーゼル車が排出する窒素酸化物(NOx)を窒素と水に分解するために使います。また、工場、発電所でも煤煙を環境基準に適合させるためにも使用されます。つまり、尿素水がなくなると物流・発電などに大きな支障があるのです。

今回がマズいのは、2021年と比較して、尿素に対する中国依存度が上昇していることです。以下をご覧ください。

2021年 尿素の輸入元
中国:71%
ベトナム:21%
カタール:3%
ドイツ:5%

2023年 尿素の輸入元
中国:91%
カタール:4%
ドイツ:2%
その他:3%

データ出典:『韓国 関税庁』公式サイト

尿素大乱を経験したにもかかわらず、中国からの輸入が「71%」から「91%」に上昇しています。

輸入元の多様化は全然達成されなかったことになります。

この事態を受けて、産業通商資源部および企画財政は、あたふたと12月01日から対策協議に乗り出しました。

上掲は、企画財政部が本件について出したプレスリリースですが、これによれば現在韓国には適正基準の在庫があるとしています。在庫は3カ月分とのことで、これを信じるなら2024年02月まではもつことになります。

在庫は車両用尿素および尿素水国内在庫ベトナム‧日本など中国外国から輸入予定分を合わせた約3カ月分

また「政府は、韓国企業が中国企業と締結した契約量が予定通り導入されるように、中国政府と緊密に協議する予定であり、業界の輸入多様化支援、車両用要素政府備蓄の向上など国内需要物量の支障がない確保・市場安定のための多面的な取り組みを推進する予定」としています。

中国の出方次第ですが、尿素大乱が2021年にあったにもかかわらず、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で輸入元の多様化を怠った政府の対応は批判されるでしょう。中国など信用してはいけないことが、本件からも分かります。

(吉田ハンチング@dcp)

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