台湾総統選挙(中華民国総統選挙)は予想どおり蔡英文総統の再選となりました。総統選挙と同様に重要だった議会選挙でも、蔡英文総統の『民進党』が61議席と過半数を占めることに成功しました(台湾議会は113が定数なので、過半数には57議席必要)。
総統選挙で民進党が有利となっていることは自明のことでしたので、国民党(そして中国共産党)は議会選挙で過半数を占めるために全力を尽くしているという情報もあったのです。もし、これが実現していれば蔡総統は難しい議会運営を余儀なくされるところでした。
しかし、開票結果は「民進党:61議席」「国民党:38議席」と蔡総統・民進党にとって胸をなで下ろすものでした。しかし、民進党は前回選挙から7議席を減らし、国民党は3議席を増やしています。これからも民進党議員に対する、なんらかの切り崩し工作が継続されることを覚悟しておく必要はあるでしょう。
中国は11日深夜、蔡総統の再選を受けてさっそく「一国二制度による平和的国家統一」「一つの中国ポリシー」の基本的立場に変更がないことを表明。台湾独立の動きに断固反対すると主張しています。
2019年01月に中国・習近平国家首席は台湾の統一には武力行使も辞さずと述べていますが、まさにそうでもしないと台湾を中国に組み入れられない状況になってきました。
しかし、現在の中国人民軍に台湾への渡洋侵攻作戦が可能とは考えられません。さらに、中国ではいよいよ経済面の苦境が露わになっていますので、過大なロジスティックスが必要になる軍事行動は取れません。ただし、やるなら今しかないと考えて浅薄に暴発する可能性はゼロではないでしょう。
(柏ケミカル@dcp)
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