日本の株式市場が最高値を更新したことを横目に見ながら、韓国政府は日本のマネをして「バリューアップ大作戦」を提唱しています。
これは総選挙に向けた、国民の歓心を買うプランの一つであることは言うまでもありません。
日本のマネをすれば韓国市場の株価も上がるだろうという底浅な考えなわけですが、そううまくはいきません。実際、韓国内でも政府が提唱したプランは不評です。韓国メディアの中には「酷評」と書くものもあります。
酷評にがっかりしたのか、金融監督院のTopである李卜鉉(イ・ボクヒョン)院長がまたおかしなことを言い出しています。
「取引所とさまざまなテーマを検討中。もっと前向きに見ると、例えばある特定の指標を作って指標に達しないか、株主還元が十分でない会社に対してさまざまな要求を考慮することも議論中」
と述べているのです。この「さまざまな要求」というのは、韓国メディアでは「ペナルティーを与えること」と解されています。つまり、目標が達成できなかったら、政府がその株式を発行した企業に罰を与えるというのです。
驚くべき発言です。
「特定の指標」というのは、『国民年金公団』がこのバリューアップ大作戦に巻き込まれた結果とです(政府としては株価を上げなければならないので、実際にお金を突っ込む者が必要なわけです)。
『韓国取引所』(KRX)が、割安な株式を示すための新しいインデックスを開発するため、『国民年金公団』と協議しているという情報が出ているのです。
「Korea Value-up Index」(仮称)という新指標で、これができれば機関投資家、外部資産運用会社による株式投資の使用する指数の1つとなるだろう――とのこと。そうなればいいですね――ですが、『国民年金公団』は、低迷する韓国株式市場に「11兆ウォン」(約82億ドル)を投入する――という予測も出ています。
『国民年金公団』としては、年金を維持するためにも投資で利益を上げないといけないのですが、国内市場に資金を投下して大丈夫なのでしょうか※。もっと儲かりそうなところに資金投下すべきではないでしょうか。
※Money1でもご紹介してきたとおり、韓国の投資家の皆さんはスグに「国民年金が国内株をもっと買わないから株価が上がらないんだ」と不満の声を上げます。これは「空売りを許可するから株価が下がるんだ」と同じ「なんだかなあ」なご意見です。つくづく韓国という国は投資には向いていません。
(吉田ハンチング@dcp)