電気自動車の人気が怪しくなり、「電気自動車専業でござい」というメーカーは困ったことになってきました。
中国はそもそも過剰生産・過剰供給の国ですが、アメリカ合衆国・EUが中国産の自動車が域内に入り込むのを制限しようとしています。過剰生産を続ける自動車が中国内にたまっていくことになりそうです。
当然ながら「淘汰」が起こります。
中国内ではすでに飛ぶ会社も出ているのですが、さらに各社が生存をかけて価格勝負を始めました。
中国産の電気自動車はおしなべてどれもポンコツ、クオリティーは平均して低いので、とにかく数を積み上げたい(売上を増やしたい)なら「値段」で勝負するしかないのです。
春節明けから、中国の自動車会社は値下げラッシュ(販売のために優遇キャンペーン含む)を続けています。
↑中国の電気自動車メーカー『BYD』公式サイト/スクリーンショット
口火を切ったのは、日本にも進出している『BYD』です。
王朝シリーズというがあって、「秦」「漢(簡体字では:汉)」「宋」「元」とかつての中国の王朝名を冠した車種を展開しているのが面白いところ。以下のように「秦 Plus DM-i 栄耀版」は新価格7.98万元と一気に2万元も下げました。
「負けてたまるか」というので、『吉利汽車(Geely Automobile)』は、03月中に最大20億元の期間限定キャンペーン「2024春車購入祭」を実施します。
最大4.7万元の現金値引き、最大10万元の無利子ローン、最大1万元の買い替え補助金を提供するのです。 「新月L」「星瑞」「博悦」「迪豪」「コロラド」「ハウ」「ICON」「パンダ」の各車種が対象とし、3,000元~1万4,000元の値引きを行うと宣言。
↑『吉利』の超小型電気自動車「熊猫(パンダ)MINI」。かわいいデザインですが、「Dragon Edition(ドラゴンエディション)」が付くとパンダなのか龍なのか……。
同社の超小型電気自動車「Panda MINI Dragon Edition」は3万9,900元です。
「うちだってやるもんね」と、『上海汽車フォルクスワーゲン』のTouaregファミリーは期間限定キャンペーンを開始。「2024 Touareg 380TSI 4WD Premium Luxury Edition」の価格が27万9,900元、「2024 Touareg X 380TSI 4WD Premium Luxury Edition」は26万5,000元となりました。
『红星新闻』によると03月01日には、9つの自動車会社がキャンペーンなどで値下げ競争に参加したとのこと。
置いていかれてたまるか!と、どのメーカーも必死です。
↑『テスラ』model3/Yの後輪駆動バージョンを雪上で試乗した動画。YouTube『EVsmart』チャンネル。
もちろん『Tesla(テスラ)』も参加しており、Model3/Y後輪駆動バージョンの現行車には期間限定の保険補助8,000元、Model3/Y現行車全車に期間限定の指定塗装特典があり、最大1万元の割引が受けられることになりました。
――というわけで、中国では春節明けから「自動車値下げのチキンレース」が始まり、激闘が繰り広げられています。
(吉田ハンチング@dcp)