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「メタバースじゃなかった!」空振った中国企業。株価の9割が蒸発

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中国というのはおかしな国で、「これからは◯◯」と聞くと、異業種だろうが専門外だろうが、「はい! 僕それやります!」と手を挙げる有象無象が乱立し、あっという間にレッドオーシャンをつくってしまいます。

この中国の特徴(というよりお金もうけに貪欲な中国人の性向)が、国を挙げての「過剰生産」を生成すのです。

そもそも内需が弱い国ですので(だからこそ習近平さんが「国内大循環の原動力と信頼性を強化」などと言うのです)、過剰生産された製品はすぐに外国にあふれ出し、イナゴの群れのように外国市場を食い荒らします。

今回ご紹介したいのは、「これからはメタバースだ!」と名乗りをあげたものの、全然流行らなくて時価総額のほとんどをすっ飛ばした中国企業『飞天云动』(Flowing Cloud Technology)です。


↑『飞天云动』公式サイトのトップページ/スクリーンショット

当社はメタバース シナリオ アプリケーションレイヤーの中国を主導するプロバイダーであり、独自のメタバースプラットフォームの構築を開始しています。

中国におけるスマートマーケティングテクノロジーの大手プロバイダーであり、AR/VR エンジン、AI、クラウドコンピューティング、その他の技術力を使用して、電子商取引、教育、文化観光などのさまざまな産業の企業のビジネス開発を支援しています。

⇒参照・引用元:『飞天云动』公式サイト

中国におけるメタバーステクノロジーのリーディンカンパニーであると自己紹介しています。

しかし、もともとこの会社は2008年にモバイルゲームを主力事業として出発しました。VR・メタバースうんぬんと言い出したのは2015年。アメリカ合衆国『Facebook』が社名を『Meta(メタ)』に変更したのが、2021年10月28日ですが、同社は同年12月に社名変更し、急にメタバースに注力するようになりました。

「メタバースがくる」と判断して飛び乗ったわけです。2022年10月18日には香港ハンセン市場に上場しました。

以下のチャートをご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。

どんどん株価が下がっているのがお分かりいただけるでしょう。ローソク足1本が1カ月の値動きを示す「月足」で見るともっと面白いのです。以下です。

月足で見ると、2022年12月の始値が「5.01香港ドル」。03月はまだ途中ですが、08日時点で「0.48香港ドル」ですから、実に9割も株価が蒸発したことになるのです。

『Facebook』が行ったので、これはいけると飛び乗ったのでしょうが、全くの空振りでした。

中国メディアには以下のような寸評が出ています。

業界関係者らは、メタバースのコンセプトは業界内外で非常に優れているものの、国内外のメタバース産業は現在初期段階にあり、対応するハードウェア技術やソフトウェア技術はまだ完成していないと指摘した。

本格的なメタバース時代の到来にはまだまだ道のりは長く、業界の大きな波が押し寄せる中、メタバースの概念だけを利用した似非メタバース企業はいずれ業界から淘汰されていきます。

(吉田ハンチング@dcp)

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