韓国の関税庁から「’24年03月01日~03月10日の輸出入状況」のデータが公開されました。以下です。
2024年03月01~10日
輸出:135億4,000万ドル(-13.4%)
輸入:148億300万ドル(-28.6%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-12億6,300万ドル2024年01月01日~03月10日
輸出:1,206億9,600万ドル(7.8%)
輸入:1,172億7,100万ドル(-13.2%)
貿易収支(輸出 – 輸入):34億2,500万ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 関税庁』公式サイト「’24年03月01日~03月10日の輸出入状況」
03月は、月初時点-12億6,300万ドルの貿易赤字でスタートです。月初なので赤字は普通ですが、これまでよりも小さな赤字額で済んでいます。
当月でご注目いただきたいのは、輸入の方です。上掲とおり、輸入が対前年同月比で「-28.6%」と異常なほど減少しています。
「いくらなんでも減りすぎじゃないのか」なのです。そろそろ韓国メディアも記事するかもしれませんが、例えばシンクタンク『韓国経済研究院』ではすでに「輸出が増えたと喜んでる場合ではないかも」というリポートを出しています。
Money1でもずっとご紹介しているとおり、輸入は「外国からする消費」ですから、これは韓国内の消費が弱まっていることを示しているのです。
韓国にとっても最も重要なのは貿易での儲けです。貿易収支が大きくないといけません。貿易収支は「輸出 – 輸入」で求めますので、輸入金額が小さくなれば、貿易黒字額は大きくなります。
しかし、それが「消費が弱った結果」であれば問題です。いわゆる「不況型黒字」であることを示すからです。
実際、韓国は大変に不況です。
韓国が回復させたいと切望している対中国貿易を見てみましょう。
↑黄色のマーカーが対中国輸出、赤いマーカーが対中国輸入です。対中国貿易 2024年03月01~10日
輸出:28億9,400万ドル(-8.9%)
輸入:31億600万ドル(-32.7%)
貿易収支:-2億1,200万ドル
対中国貿易は「-2億1,200万ドル」で赤字です。月初なのでまだ大丈夫という話は、こと対中国貿易ではいえません。なぜなら月で締まってみても赤字になってきたからです(ただし前月は16カ月ぶりに黒字になりました)。
ご注目いただきたいのは、やはり「輸入」です。なんと「32.7%」も減少しています。
こちらも「いくらなんでも減りすぎじゃないのか」です。
読者の皆さまもご存じのとおり、韓国は中国から資源、中間財を輸入して製品をつくって輸出しています。簡単にいえば、輸出する製品の原材料を購入しているわけです。原材料の購入が大きく減少するということは、それだけ製品が製造されないということです。
これもやはり不景気を表す数字と見なければなりません。
(柏ケミカル@dcp)