中国の「州・都市」の財政について非常に興味深いデータが出ました。ほとんどが財政赤字に陥っています。以下は収入の多い方から順番に11の主要州・市を抜き出したものです(単位:億元)。
収入 | 支出 | 収入-支出 | 財政自給率 | |
広東省 | 12,922 | 17,485 | -4,563 | 73.9% |
江蘇省 | 9,059 | 13,683 | -4,624 | 66.2% |
浙江省 | 7,248 | 10,082 | -2,834 | 71.9% |
上海市 | 7,046 | 8,102 | -1,056 | 87.0% |
山東省 | 6,560 | 11,231 | -4,671 | 58.4% |
北京市 | 5,484 | 6,776 | -1,292 | 80.9% |
四川省 | 4,258 | 11,201 | -6,943 | 38.0% |
河南省 | 4,155 | 10,383 | -6,228 | 40.0% |
安徽省 | 3,216 | 7,471 | -4,255 | 43.0% |
福建省 | 3,079 | 5,215 | -2,136 | 59.0% |
湖南省 | 3,009 | 8,403 | -5,394 | 35.8% |
上掲のとおり11の州・市は全て赤字財政です。「自給率」は「収入/支出」で求めていますが、支出の何パーセントを収入でカバーできているかを示します。最も財政状態がいいのは上海市で「87.0%」、次いで北京市で「80.9%」。さすがにこの二大都市はましですが、後は概して良くありません。
特に四川省は赤字額が「6,942億元」(約11兆4,212億円)にも達しており、自給率はわずか「38.0%」に過ぎないのです。
上掲11州・市だけで財政赤字は「4兆3,996億元」(約72兆3,734億円)にもなります。これをどうやってファイナンスしているかというと、『Bloomberg』などでたびたび「時限爆弾」として取り上げられる地方債の発行です。
中国共産党当局はコントロールできていると述べていますが、堤防はアリの一穴からでも決壊するものです。
(吉田ハンチング@dcp)