韓国のウォンも一気に安くなりましたが、中国の人民元もです。
以下ご覧ください。まずオンショア。
上掲のとおり、2024年03月22日は長大な陽線となり、終値「1ドル=7.2293元」。一気に元安が進行しました。
次にオフショア。
同じく一気に元安が進行し、終値「1ドル=7.2761元」となりました。
ここまで耐えていた堤が一気に決壊したかのようなのプライスアクションとなっています。
そもそも人民元は、中国当局が決めたレートの中で動くように相場を管理しています。その意味で中国は完全な為替操作国です。
これほど一気にレートが動くのは当局が「元安を容認した」としか考えられません。
ここまで元安が進行しないよう耐えてきたのに、一気にこれが破れたのは「もしかしてドルがなくなったのですか?」と問いたくなります。
元安を進行させないためには「ドル売り元買い」が必要だからです。
かねてより、中国の保有する合衆国公債が減少しているのは、ドルを調達して元安防衛(当局が望むレートに収めるため)に使っているのではないのか?という指摘がありました。ドルがないんじゃないの?には一定の説得力があります
もうひとつは、経済が傾いており、中国の成長を支えてきた輸出が不振です。そのため元安を進行させて輸出品目の価格戦闘力を高めようという意図がある――という見方です。
通貨安はすなわち「周辺国窮乏策」です。中国当局が元安を容認するなら――韓国はさらに困ることになるでしょう。例えば鉄鋼製品は、中国(安い)と日本(高品質)のサンドイッチになっています。
中国当局が何か意見表明するのかに要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)