事実上破綻して、再生に入った韓国『泰栄建設』(施行能力は韓国第16位とされます)。
毎度おなじみですが国策銀行である『産業銀行』が再建プランの絵図を描いているのですが、債権団を組んでいる金融機関内で意見の相違が発覚。揉めていました。
そもそもPF(プロジェクトファイナンス)問題は不良債権に他なりません。お金が回らなくなって建設現場(韓国メディアでは事業場と書いています)が止まったり、「これ建設して事業性がないんじゃないの」という事業場を整理しなければなりません。
そのため、韓国の金融委員会、金融監督委員会も「事業場を4つに仕分け(評価)してそれぞれに措置する」としたのです。
『泰栄建設』についても行われているのは同じことです。採算性がない事業上については中止して損切りしないといけません。
ところがお金を貸した金融機関からすれば、損切りは「不良債権化」に他なりません。すでに完成して、でも売れませんでした――なら、安値でもどこかが買ってくれれば幾ばくかは返ってきます。
しかし、この事業は中途だけどもうやめようよ――では1ウォンにもなりません。金融機関によっては「ちょっと待ってくれ」となって当然です。
『泰栄建設』で特に問題となったのは「CP4」と呼ばれる事業場(プロジェクト)です。これは、ソウル市麻谷洞に地上11階建ての「オフィスとショッピングモールの複合施設」を建設する――というもので、資金切れで止まっていました。
金融機関からすれば、追加でお金を入れるという話は避けたいところです。追加で投入した資金も返ってこない、という可能性があるからです。
しかし、このCP4について債権団は「3,700億ウォン」の追加資金投入を認めました。
金融委員会と金融監督院の「PF整理だ」という動きを見て、「早く完成させた方がいいのでは……」となったものと見られます。
ただし、この追加資金の金利はそう安くはありません。建設会社・施工会社と融資団の間で壮絶な綱引きが行われた結果、年8%(金利7% + 手数料1%)に最終決定されました。
「盗人に追い銭」みたいなことにならなければいいですね。
(吉田ハンチング@dcp)