こういうのを「国の面目丸潰れや」というのでしょう。
韓国では、経済性が全くないことが分かっているのに釜山のスグ隣に新国際空港を造ろうとしています。
↑加徳島新国際空港の完成予想CG。格好いいのですが、本来この空港は造る必要がありません。
Money1でも何度もご紹介しているとおり、政治的な思惑と国民に阿るポピュリズムの産物です。
(よせばいいのに)2024年05月31日、国土交通部は『加徳島新空港建設公団』の発足式を行いました。造らなくてもいい加徳島新国際空港を推進するという宣言ですが、傑作な事態となっています。
公団発足前の05月17日、韓国の調達庁が造成工事に入札するよう公告を出しました。以下です。
「10兆5,300億ウォン」の造成工事です。これは、国が投入する予定の「13兆4,913億ウォン」の「約78.1%」に当たります。
2024年06月05日に書類提出の期限がきたのですが、この公告に対する建設会社の入札はゼロでした。一社も参加しなかったのです。
仕方がないので韓国国土交通部は、2024年06月07日に再公告を出す羽目になりました(以下)。
全ては突貫工事でリスクが高すぎる!
なぜこれほど人気がないかというと、リスクが高いからです。
まず時間が全然ありません。
工事期間は着工から2,190日(6年間)。ですので、基本設計「150日」、施工設計「150日」で設計作業を10カ月以内に終え、実際の工事に使える時間は5年で完了しなければなりません。
これがどのくらい無理な話かは――事業費がこの新加徳島国際空港の1/20である蔚陵空港の工事期間が5年、仁川空港では第1段階の造成工事に9年を要している――ことからも明らかです。
つまり、設計から工事まで突貫工事なのです。パリルパリルが好きな韓国の皆さんならできるかもしれませんが、モノが空港ですから、おから工事などされた日には、人命に関わるかもしれません。下手すると『メーデー』案件です。
もう何度だっていいます、これは造らなくてもいい空港です。
どのくらい経済性がないかというと、2022年の工事妥当性調査では費用対便益比が「0.41~0.58」という結果が出ているほどです。
これは、掛かるコストと得られるメリットの比を計算する数値で、1ならイーブン。1を超えると得られる便益の方が大きいと判断されます。
「0.41~0.58」ですから全然経済性がありません。造る前から分かっているのです。
「それでもやる」のが今回の新国際空港建設計画で、ばかばかしいことこの上ない話です。
工事に手を上げる業者もない――という事態になりましたが、さあどうなりますか……。韓国の新空港建設にご期待ください。
(吉田ハンチング@dcp)