2024年07月22日、中国の財政部から2024年01~06月の中国政府財政についてのデータが出ました。
まず、全般状況としては、
中国政府の歳入
2024年上半期:11兆5,913億元(-2.8%)中央政府の収入:5兆11億元(-7.2%)
地方政府の収入:6兆5,902億元(+0.9%)国税収入:9兆4,080億元(-5.6%)
税外収入:2兆1,833億元(+11.7%)※( )内は対前年同期比の増減
――となりました。
国税収入が減少しています。個々の主要な税項目別に見ると以下のようになります。
1.国内付加価値税:3兆5,400億元(-5.6%)
※原語は「国内增值税」。2.国内消費税:8,834億元(+6.8%)
3.法人税:2兆5,384億元(-5.5%)
4.個人所得税:7,358億元(-5.7%)
5.輸入品に対する付加価値税と消費税:9,297億元(+0.7%)
関税:1,185億元(-5.2%)6.輸出税還付:11億3,800万元(+14.4%)
7.都市維持建設税:2,560億元(-6.7%)
8.自動車購入税:1,253億元(-5.4%
9.印紙税:1,632億元(-22.9%)
⇒有価証券取引に対する印紙税:509億元(-54%)
※原語は「印花税」。10.資源税:1,474億元(-11%)
11.土地・不動産関連税
⇒契税:2,779億元(-10.9%)
※不動産の権利移転に係る契約をする際に課せられる税金です。これは印紙税とは別です。印紙税としては別に「印花税」があって、上記の「9」です。⇒房産税:2,337億元(+20.1%)
※土地・家屋の保有に課せられる税金。普通は「固定資産税」ですが中国は土地は全部「国のもの」なので、土地の使用権者と建物の所有権者に課される税金、という建付けになっています。⇒都市土地使用税:1,298億元(+11%)
※課税地域の土地使用者に課税する税で原語は「城镇土地使用税」。⇒土地付加価値税:3,074億元(-4.3%)
※原語は「土地增值税」です。⇒耕地占有税:840億元(+22.6%)
※「耕地を占用して建物を建築し、またはその他の非農業建設に従事する組織と個人は納税対象者となる」と定められています。12.環境保護税:121億元(+18%)
13.自動車船舶税、船舶トン税、タバコ税など:総額634億元(+3.4%)
「兆」の単位の、ボリュームの大きな「国内付加価値税」と「法人税」が、それぞれ「-5.6%」「-5.5%」と大きめに減少しているのが痛いところです。
「法人税」と「個人所得税」が減少しているので、企業と家計の財布は温かくないことと分かります。(不動産に頼りきりで)内需が弱い中国にとっては大きな問題です。
中国で自動車がだんだん売れなくなってきた――という話があって※、自動車購入税が「-5.4%」なのはそのトレンド変化を裏打ちする数字と見ることができます。
※これについては長くなるので申し訳ありませんが別記事にいたします。
面白いのは、「印紙税」(原語は「印花税」)です。
有価証券取引についての印紙税が「-54%」と激減しています。中国市場の現状を反映した数字といえるでしょう。中国にお金を入れるのは、無法者国家を支援することになるので、絶対にやめましょう。
(吉田ハンチング@dcp)