中国語メディア『看中国』が「中国自動車市場は崩壊の危機」という記事を出しています。
『看中国』は法輪功絡みの反中国共産党メディアと見られており、いささか先走る癖がありますが、興味深い情報を拾ってくるのは確かです。
同記事は、中国で自動車が売れなくなってきている――というリポート。雲南省の自動車販売店が在庫がたまって困った状態だ――書いています。
「中国の自動車崩壊の危機」と呼ぶのは極端かもしれませんが、中国国内での自動車販売にブレーキか?――と疑わせる傍証はあります。
『中国自動車工業協会』が公表しているデータです。まず、以下をご覧ください。
↑中国の国内市場における乗用車の販売台数の推移。02月と06月に対前年同月でマイナスになりました。⇒参照・引用元:『中国自動車工業協会』公式サイト「2024年6月乘用车产销情况简析(2024年06月の乗用車生産・販売の簡単な分析)」
直近の06月は、販売台数は「221万5,000台」で、前年同月比は「-2.3%」です。
前月と比較すれば伸びているのですが、前年と比較しては減少しています。
さらに以下です。中国自動車の国内販売台数の推移です。
⇒参照・引用元:『中国自動車工業協会』公式サイト「2024年6月乘用车产销情况简析(2024年06月の乗用車生産・販売の簡単な分析)」
同じく直近、2024年06月の国内乗用車販売台数は「181.2万台」で、前年同月比-7.4%となっています。
「乗用車月次国内販売数、増速」というタイトルになっていますが、その「増速」は「対前月比で増えました」なのです。
実際、上掲グラフの右軸の増減率は、05月・06月と連続して対前年同月比でマイナスとなっています(02月には大きく対前年同月比でマイナスに振れている点にも注目してください)。
01~06月累計にすると、「国内乗用車販売台数は964万台で、前年同期比1.6%増加した」になるのですが、これはグラフのとおり01月に2023年と比較して大きく増加した分がまだ効いているためです。
仮に、『看中国』が報じたとおり07月中旬の状況として、自動車が売れなくなってきいているのなら、07月もまた対前年同期比でマイナスになる可能性があります。
そうなると、中国内の自動車販売数が対前年割れとなることが考えられます。つまり、明らかに中国内の消費が弱っているのです。
また内需が弱まるなら、中国自動車メーカーは増々、その過剰な生産性を外国に向けないといけなくなります。
アメリカ合衆国とEUが中国自動車に重い関税を賦して、その過剰生産されたクルマを阻むなら中国メーカーの行く末はどうなるでしょうか?
中国国内の自動車販売台数が以降どのように推移するのか、注視しないといけないようです。
(吉田ハンチング@dcp)