2024年08月13日、中国の中央銀行である『中国人民銀行』が「社会融资规模增量统计表」を公表しましたが、この中に見逃せない非常に重要なデータがあります。
「社会融资规模增量统计表」は「社会融資規模」の増減を示すフローのデータですが――、「社会融資規模の増加額」というのは――、
一定期間内に実体経済が金融システムから得た資金額を指します。
データ出典は、中国人民銀行、国家金融監督管理総局、中国証券監督管理委員会、中央国債登記決済有限責任公司、銀行間市場取引商協会などの部門です。
と自身で説明しています。簡単にいえば、銀行などからの融資金額がどのくらい増えたのかを示すものです。以下をご覧ください。
2024年 人民元建て融資規模の増減
01月:4兆8,401億元
02月:9,773億元
03月:3兆2,920億元
04月:3,349億元
05月:8,197億元
06月:2兆1,927億元
07月:-808億元⇒参照・引用元:『中国 人民銀行』公式サイト「社会融资规模增量统计表」
「ちょっと待て、おい」です。07月に融資金額の増減がマイナスに転じました。無茶苦茶です。
経済が発展するためには銀行からの融資、つまりはお金を回すことが必須です。それが融資として出ていくお金より戻って来るお金の方が多く、新規融資が増えなかったというのです。
何を意味しているかは明らかです。
通常、融資の減少は、企業や個人が新たな借り入れを控えていることを示します。これは、経済全体の活動が低迷している可能性があり、企業が新たな投資を見送っているか、消費者が支出を抑えていることを意味します。
2.信用リスクの増大
マイナスになるということは、既存の融資が返済される一方で、新規融資がそれを上回るほどに減少しているということです。信用リスクの増大を意味しています。
3.経済刺激策の効果の欠如
中国政府が景気刺激策を打ち出している中で、融資が減少してので、これらの政策が効果を発揮していない可能性を示唆していまう。特に、不動産セクターや中小企業の資金調達が厳しくなっていることが懸念されます。
4.将来の経済不安
このデータは、今後の経済成長に対する不安を反映している可能性があります。特に、融資が縮小している場合、投資や消費の減少が続く可能性があり、これが経済全体に負のスパイラルをもたらすリスクがあります。
中国共産党政府は必死になってお金を回そうとしているのですが、中国の皆さんは「借りません」で回らなくなっているのです。
中国経済はいよいよ本当にマズイ状況です。
(吉田ハンチング@dcp)