中国メディア『上海証券報』によると『克而瑞』(China Real Estate Information Corporation:略称「CRIC」)が興味深いデータを出したとのこと。
中国全土での競売物件についてです。不動産ローンが支払えなくなると融資した銀行が焦げ付きの金額を少しでも回収しようと、競売にかけて売却します。
2024年上半期に、中国全土で競売住宅の出品数が20.2万件を超えました。前年同期比で12%の増加ですが、一方で成約率は年々低下。
2024年上半期の成約率は17%に過ぎませんでした。対前年同期比「-7%ポイント」です。
つまり「いらない」というわけです。
また報告によると、2024年上半期の競売物件の平均割引率は33%に達し、前年同期比で3%ポイント増加。大きく値引きしないと「売れない」のです。
さらには、中国の不動産市場が現在も下落傾向を続けており、過去に住宅を購入した皆さんが大きな返済圧力に直面、ローンのデフォルトリスクが増加する可能性があるとしています。
つまり、中国の競売物件の供給がさらに大きくなる可能性があることを意味しています。
そうなるとますます競売物件の値段は下がるでしょう。負のスパイラルです。
競売物件は二線都市での増加が最も顕著となっています。
例えば、鄭州市では2024年上半期の競売物件の出品数が5,178件に達し、対前年同期比で43%も急増しています。また、廈門、蘇州、福州などの都市でも前年同期比で40%以上増加。
新品の住宅が売れなくて困っているというのに、このように競売物件がどんどん増えてどうするのでしょうか。
※『CRIC』は中国における不動産市場に関するデータと情報を提供する主要なプラットフォームです。不動産開発、取引、価格動向、マーケティング分析など、幅広い情報を提供しており、中国国内の不動産市場の動向を把握するために利用されています。
(吉田ハンチング@dcp)