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【71%が火力発電】中国「停電頻発」の原因とされる石炭不足はなぜ起こる?

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現在、中国では北から南まであちこちの省で停電が頻発しています。直接的な原因は石炭不足とされていますが、そもそも中国は火力発電に依存しすぎなのです。以下を見てください。

2021年01~08月電気生産の構造
火力発電:71.9%
水力発電:14.1%
風力発電:6.8%
原子力発電:5.0%
太陽光発電:2.2%

⇒参照・引用元:『中国 国家発展改革委員会』

『国家発展改革委員会』の資料によれば、中国は約72%を火力発電に頼っています。また、この火力発電の燃料消費ですが「石炭:58%」と約6割が石炭に依存しています。

つまり、石炭が枯渇するような事態になると電力生産の72%が影響を受ける構造になっているのです。

誤りを修正しお詫び申し上げます

現在の中国で停電が頻発しているのは、石炭不足といわれます(石炭不足による火力発電所の稼働停止)。

多くのメディア、またMoney1でも、この石炭不足の原因は嫌がらせでオーストラリアから石炭輸入を止めたこと、としています。

しかし、オーストラリアからの石炭輸入はそもそも全体の供給量からみると、そこまで大きくはないのです。

中国国内の石炭生産量は約19億6,000万トン。これに対して輸入量は約1億9,656万トンです(2021年08月までの累計)。

2020年は同じく08月まで累計で中国はオーストラリアから7,043万トンの石炭を輸入しました。これが嫌がらせで2021年には「0」になりました。

オーストラリアは、中国の2020年の石炭輸入量「2億2,017万トン」の「約32%」を締めていました。これがごっそりなくなったのです。

しかし、中国の「国内生産量 + 輸入量」(=供給量)から比較すれば、オーストラリアからの輸入量は全体の3.2%に過ぎません。

また、オーストラリアからの輸入を止めた分、インドネシアロシアからの輸入が激増しました。

以下は中国税関による石炭輸入の現状について見たものです。

2021年08月まで累計
輸入先
インドネシア:1億2,186万トン(対前年比:19.1%増加
オーストラリア:0(対前年比:100.0%減少
ロシア:3,695万トン(対前年比:62.1%増加

オーストラリアからの輸入を減らした分をよその国から確保しようとしていることが分かります。

しかし、その努力も実らず2020年の「石炭輸入量:2億2,017万トン」から2021年の「石炭輸入量:約1億9,656万トン」まで約11%減少しました。

しかし、前記とおり全供給量からすれば、これは微々たるもののはずです。

これまでMoney1ではオーストラリアからの石炭輸入が減少したことが石炭不足の減少と断じてきましたが、調べれば調べるほどこれだけでは説明がつかないことが分かりました。

当記事をもって修正いたします。誠に申し訳ありません。深くお詫び申し上げます。

本線に戻ります。

もし石炭不足が本当であるなら、中国国内の石炭生産が縮小傾向にあったという事実も影響を与えているものと推測されます。

Money1では過去にさらっとだけご紹介したことがありますが、中国国内では減産、また石炭採掘業者の統廃合(採算が合わないので廃業&縮小と統合)が起こっており、さらには習近平総書記の「カーボンニュートラル宣言」です(中国当局の石炭減産措置)。もう一つ、石炭価格の高騰によって買えない(買わない)という要因。

これらの複合要因にプラスして輸入量の11%減少が石炭不足をもたらしているのではないでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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