2025年03月17日、中国の国家統計局が「2025年01・02月の全国不動産市場の基本状況」のデータを公表しました。この中に非常に面白い数字があるので、ご紹介します。
まず、全般状況として中国の不動産投資の数字ですが、以下をご覧ください。
1. 不動産開発投資の実施状況
01~02月の全国の不動産開発投資額は1兆720億元で、前年同期比9.8%減少した(比較可能な基準で計算、詳細は注6を参照)。減少幅は前年通年より0.8ポイント縮小した。そのうち、住宅投資額は8,056億元で、9.2%減少し、減少幅は1.3ポイント縮小した。
(後略)
グラフにすると、以下のようになります。
2025年01~02月は対前年同期比でのマイナス幅が縮小したのは確かですが、良くなったじゃないか――ではないのです。
2024年01~02月が「-9.0%」で、それと比較して2025年01~02月が「-9.8%」ですから、2023年01~02月と比較すると、2025年01~02月は「-17.9%」※で、2年前と比較すれば投資額は激減しています。
※(1 – 0.09) ✕ (1 – 0.098) = 0.821。 1 – 0.821 = 0.179
今回の公表データで一番面白いのは以下です。
黄色のマーカーの箇所をご覧ください。
「不動産開発企業が今年受け取った資金 = 1兆5,577億元」のうち、外国資金はたったの「1億元」しかありません。
対前年同期比で「-90.6%」となっています。
何を意味しているかは火を見るより明らかです。外国人投資家は中国の不動産投資などにお金を入れなくなったのです。
「おしまい」の風景です。
(吉田ハンチング@dcp)