「国が滅びて、半導体だけが生き残るなんて滑稽だわ」とおさげの女の子が言うかもしれません。
Money1でもご紹介してきたとおり、韓国の輸出が完全に半導体頼みになってきています。韓国政府・産業通商資源部は「輸出が回復してきた」と大本営発表を続けていますが、そこから半導体の業績を引いてみればいいのです。
そこを突き、「危ういぞ」と指摘する記事を出している韓国メディアもあるのです。例えば『毎日経済』です。同紙の記事から一部を以下に引用してみます。
(前略)
外見上輸出・生産改善の勢いは続いているように見えるが、半導体産業の状況改善効果が大きいため、全体の製造業が良く見える「錯視効果」が大きくなっている。統計庁によると、第2四半期の製造業生産は前年同期比5%増え、3四半期連続で増加した。
しかし、半導体業種を除くと増加率は1%に下がる。半導体に加えて電子・通信業種まで除くと生産増加率は0%台(0.4%)までさらに下がる。
月次の流れを見ると、情報通信技術(ICT)に対する生産依存度はさらに大きくなる。
06月の製造業生産は3.9%増えたが、電子・通信業種を差し引いた生産は「-2.3%」とマイナスに後退する。
06月の半導体生産が26.9%も急増した一方、
化学製品(1.5%)
自動車(-4.1%)
1次金属(-9.8%)をはじめとする他の業種が低迷したことによる。
メーカーが設備と労働力、操業日数を勘案して最大で生産できる能力(生産能力)と稼働率も落ち幅が大きくなっている。
第2四半期の生産能力が0.9%増えたのにとどまり、第1四半期(1.6%)に比べて大きく鈍化した。
生産能力に比べての生産実績を測定する稼働率は第2四半期2.1%増加となったが、同様に第1四半期(2.7%)に比べて下落した姿だ。
(後略)
上掲のとおり、半導体以外は暗雲が垂れ込めているのです。
いわば、韓国の屋台骨を支える輸出製造業はもはや半導体の一頭立て馬車です。この馬に何かあれば、馬車もおしまい、もう前に進めません――という状況になりつつあるのです。
悪寒がして背筋が寒くなってきたのです。
(吉田ハンチング@dcp)