2020年05月の韓国の「国際収支統計」が公開されていますので、こちらも定点観測のようなものですが、ドル流動性スワップ※1で入手したドルがきちんと記録されているのかを確認してみます。
05月の国際収支統計に表れるのは、『韓国銀行』が2020年05月06日に行った第6次競争入札で落札された「13億2,900万ドル」です。
第1-5次の取引は全て2020年04月中決済なので、04月の国際収支統計にあります。これは先にご紹介したとおりです。
まずアメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)が公表している「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)で確認すると以下のようになります。
05月06日に契約(Trade Date)し、決済日(Settlement Date)は05月08日になっています。つまり、『NY連邦準備銀行』の『韓国銀行』の口座に2020年05月08日に「13億2,900万ドル」が振り込まれたわけです。
これも外国とのお金のやりとりですので、『韓国銀行』の公表している「国際収支統計」に計上されています。
どこにあるかといいますと、「金融収支(Financial account)」の中に「その他投資(Other investment)」という項目があります。その「負債の部(Liabilities)」の「現金・預金(Currency and deposits, Liabilities)」に記録されています。以下です。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Economic Statistics System」
http://ecos.bok.or.kr/
上掲のとおり、ぴったり「13億2,900万ドル」の現金の負債が入っています(もちろん合わないと困るんですけれども)。
このようにドル流動性スワップを利用して調達したドルは『韓国銀行』の現金の負債として積み上がっていくのです※2。
もちろん返済も国際収支統計に表れます。06月25日から返済を始めていますので、06月の国際収支統計にまず第1次調達分が計上されるはずです。これが公開されたらまたご紹介するようにいたします。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
※2国際収支統計は「フロー」を記録したもので「ストック」ではない点に注意してください。
(柏ケミカル@dcp)