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FPに聞いた! 家計簿はつけた方がいい!?

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ファイナンシャルプランナーの前野彩先生にお話を伺いました。

■家計簿は振り返るためにある!

――家計簿を付けるメリットとは何でしょうか?

前野先生 家計簿を付けていない人の方が多いですが、付けないよりも付けた方がいいのは確かです。でも、家計簿を付けている人でも「ただ付けている」という人が圧倒的に多いのです。これではせっかく家計簿を付けても活かせていません。

●家計簿は「振り返って確認すること」でその真価を発揮するのです

つまり、家計簿は「見直しする道具」なのです。「どんな出費が家計を圧迫しているか」「家計の収支バランスはどのようになっているか」といったことを振り返り、データで確認し、それをもとに家計を良くする、そのためのものです。

ですから、振り返らないのであれば、家計簿をつける効果は下がってしまいます。

――家計簿を振り返ってどんな点を確認すべきでしょうか。

前野先生 以下の3点をよく見てみましょう。

●自分がお金をかけたいと思うところにお金をかけられているかを確認する!
●収支のバランスを確認する!
●1年の出費のうち、イレギュラーな支出を確認する!

まず、例えば「旅行」であるとか「洋服」であるとか、自分がお金をかけたいと思うところに出費できているでしょうか? もしできていないとしたら何が原因かを調べましょう。かけたいところにお金をかけるための減らせる支出を探すために、家計簿はあるのです。

次に「収支のバランス」ですが、これは「収入があって、貯金などを行って、その残りでやりくりができているか」という意味です。「先に貯めて、残りでやりくりする」ことが大事です。

「残った分が自然に通帳に貯まっている」という人がいらっしゃいますが、これでは貯金はなかなか増えません。「まず貯金をして、その残りで暮らす」。そのために家計簿を参考にやりくりをするのです。

3点目として、家計簿によって1年間の「通年の出費」を確認できます。通年の出費の中で、特に「イレギュラーな出費」に注目しましょう。家賃や通信費などの毎月必要な支出は頭に入っていますね。

でも、例えばゴールデンウイークに温泉旅行に行ったとか、冠婚葬祭の出費があった、などは、終わってしまえば「今月はたまたまだから仕方なかった」と忘れ去っていませんか?

イレギュラーな出費の場合、それが大きな金額であればあるほど、収支のバランスに影響します。このイレギュラーな出費、金額に耐えられる家計にすることは大事です。それを考える材料として家計簿が役立つのです。

■続けられない人は「イレギュラーな出費」だけでも記録しよう!

――やはり家計簿は付け続けないと駄目なのですね。

前野先生 そうですね。付け続けることが大事です。ただ、いきなり1年間つけるのは大変なので、私は相談に来られた方には「1カ月だけ付けてください」というふうに、期限を決めてやってみることをお勧めしています。

そうすると終わる期間が分かっているのでやる気も起きやすく、また、1カ月だけなので振り返りもしやすいのです。

また、どうしても続けられないという人は、さきほど申し上げた「イレギュラーな出費」が発生した際に、手帳や携帯電話などに、それだけでも記録していくと良いでしょう。これだけでもずいぶん違いますし、効果があります。

――家計簿を付けるのにパソコンを使っている人が多いのでしょうか?

前野先生 不思議なことに、私のところに家計相談にいらっしゃる方で、パソコンで『Excel』を使って家計簿のデータを丹念に積み重ねているのは男性ばかりです。女性ではこのような人はごくごく少数派のようです。

女性の場合は、市販の家計簿ノート、また普通のノートやアプリを使っていますね。ここまで家計簿のお話をしましたが、実は、私は面倒くさがりで、レシートを取っておいたり、毎日記録したり……ということができないのです(笑)。

そこで、面倒なことは機械に任せようと、『Money Forward(マネーフォワード)アプリを使っています。これは、銀行口座やクレジットカードの利用記録と連携しているので、データの入力をしなくても自動で家計簿を作ってくれるので大変便利です。

――その男性と女性の差は何なのでしょうか。

前野先生 不思議ですね(笑)。男性は、仕事と同じように思っているのかもしれませんね。データを積み重ねて、分析してプレゼンする。仕事のプレゼンと同じような達成感を感じるのかも。でも、男女問わず、やり方問わず、家計簿は見返すことが大事ですから、その点をくれぐれも忘れないようにしていただきたいと思います。

――ありがとうございました。

家計簿は付け続け、そのデータを振り返るためにあるとのこと。未来の家計を良くする方法を考えるための大事な資料なのです。あなたも家計簿を付け始めてみませんか?

前野彩先生の公式サイト『FPオフィスwill』

(高橋モータース@dcp)

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