不動産市場も自国通貨も信用できないため、資産を何で持つかが問題となっている中国では「金(Gold)」が大人気となっています。実は韓国でも売れています(世界的高騰です)。
あまりに売れすぎているため、「金は売り切れ」という措置がとられています。
2025年02月11日、『韓国造幣公社』は以下のような文書を公表し、市中銀行にもゴールドバーの販売は中止と通達しました。
ゴールドバー販売中断のお知らせ
お客さまへ金の原材料調達の問題により、ゴールドバー商品の販売を一時的に中断いたします。
現在、『韓国造幣公社』は原材料の確保に最善を尽くしており、できるだけ早く販売を再開できるよう努めております。
お客さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。※02月10日(月)にご注文いただいた分については、原材料の調達状況に応じて順次製造・配送する予定です。
配送スケジュールが確定次第、サイトを通じてご案内いたします。
シルバーバー配送スケジュール変更のお知らせ
02月17日(月)出荷 ⇒ 02月18日(火)出荷※シルバーバーの販売スケジュールについては、後日公式サイトにてご案内いたします。
⇒参照・引用元:『韓国造幣公社』公式サイト
同『韓国造幣公社』の公式サイトによると、金価格の推移は以下のようになっています。
上掲のように金の価格はうなぎ登りで、2025年02月10日時点で「2,873.17ドル/トライオンス」。
面白いのは、韓国の価格と国際価格では大きな差が生じていることです。
英字韓国メディア『KED Global』の記事から一部を引用すると以下のような具合です。
(前略)
韓国取引所(KRX)とロンドン貴金属市場協会(LBMA)のデータによると、韓国のKRX金市場で取引される金とLBMAの金価格の差は、金曜日時点で19.47%に達し、過去最高を記録した。KRX市場データによれば、韓国での金価格は1グラムあたり161,990ウォンだったのに対し、ロンドンでは135,588ウォンだった。
LBMAの金価格は、KRXが韓国ウォンに換算した数値である。
LBMA(ロンドン貴金属市場協会)は、世界の店頭貴金属市場の国際取引団体であり、貴金属の国際基準を定める機関である。
KRX金市場が2014年に開設されて以来、韓国の金価格は国際市場の平均より0.46%高い水準で取引されてきた。
しかし最近になり、韓国の個人投資家が金を大量に買い漁ったことで国内で金不足が発生し、「金市場のキムチ・プレミアム(過剰な価格差)」 が発生したと、アナリストらは指摘している。
(後略)⇒参照・引用元:『KED Global』「FOMO-driven gold rush lifts kimchi premium on gold to highest level」
以前、Money1でもご紹介したことがありますが、「キムチ・プレミアム」というのは、暗号資産で注目されていた言葉です。同じ暗号資産でも韓国での取引値の方が高い――いわゆる「アビトラ」のターゲットになっている――という文脈でした。
金でもキムチプレミアム(嫌なプレミアムの名称ですな)が生じている――というのですが、ロンドンでは135,588ウォンなのに、韓国では161,990ウォンとすると、韓国の方が金価格は「約19.47%」も高いことになるのです。
金価格の高騰で『韓国造幣公社』も金が入手しにくくなり「販売中止」となっております。
(吉田ハンチング@dcp)